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乳幼児への「みみ太郎」の使用について





         □ 幼児への「みみ太郎」の使用についてのお尋ね
         □ 問いに対する答
         □ 「みみ太郎」使用開始後約3ヶ月目のお便り+その数日後




【 「お知らせ」の43番57番でご紹介しています。 】
    
【 幼児へのみみ太郎の使用についてお尋ねします 】 

感音性難聴の0歳児の育児に奮闘中の専業主婦ですが、みみ太郎の使用について、ご意見をお願いします。  
初めて授かった子が、難聴を持って生まれてきました。 90dbと言われております。何とかこの子の良いようにと、
あたふたとしており ます。     

先日、こちらのHPを読ませていただいて、島田製作所さまに問い合わせたとこ ろ、現在、ご厚意でみみ太郎を
試聴させていただいています。主人も私も音の良さを認め、子供の主治医にご意見を求めたところ、「良い物だと
思いますが、お子さんが自分で音量を調節出来るようになるまで、補聴器との聞こえかたも違いますし、補聴器で
訓練を続けて行った方が良いです よ」とのことでした。  

主人は、先生の仰るとおりにしようと言っているのですが、愚妻は何かあきらめきれずに居ります。 みみ太郎を
使っていらっしゃるかたにご意見を求めたいのですが・・・。    

現在使用している補聴器は、リオン(株)のリオネットHB-13、補聴器センターでお掃除などもして頂いています。

私の思いは、訓練は補聴器、音楽や自然の音(鳥の声や小川のせせらぎ、木の葉のふれあう音など)はみみ太郎
で聞かせたいと思っているのですが、皆さんはどう思われますか? 使い勝手の点などでは、「これから動き回る
子供に不向きかな?」、「いや、不向きでも良いなら何とか使いたい!」などと思ったり、どう判断したらよいのか
迷っています。  

選んだ方法で、気持ちを揺らすことなく育児に専念したいと思っているのですが、 皆さんのご意見をお伺いしたい
と思います。 どうか、よろしくお願いいたします。  

                                             <2003年5月18日>
        


     
【 お答えします 】

お尋ねはお子様に「補聴器」と「みみ太郎」のどちらを用いるべきか、という事ですが、これに対する答えは次の
問いに、より良く応えられる補聴機器が、より優れたものと考えてよいのではないでしょうか。

脳(聴覚神経)が音情報を、無理なく、普通に処理する為には、どちらの補聴機器が
   − 健聴者が取り込む音や声全てを、
   − 自然のままの状態の音や声として脳(聴覚神経)に送り届け、
   − 脳(聴覚神経)の健全な成育に寄与できるのか(害を及ぼさないのか)?      

まず、補聴器です。
補聴器の場合は、取り入れる音の音域を一定幅に限定し、その範囲の中で入ってくる音を機械的に加工した
上で、増幅し、脳(聴覚神経)に送り届けます。補聴器の作り出す音は、人工的に特定の音域に強弱をつけて
加工したもので、“作られた音”と言えます。 
更に、この上に、その補聴器が適切に調整され、本人の聞こえに合致しているという条件が付きます。補聴器が
本人に合っていないと脳(聴覚神経)の負担と疲労は大きくなり、場合によっては耳を痛めたり、頭痛の元とも
なります。子供以上であれば、補聴器を外し、使わないという事も出来ますが、幼児は出来ません。
 
 <参考>
   幼児への補聴器の調整は、最初に幼児の総合能力(難聴・知的・情緒)を的確に把握します。同時に、
   どの種の音に敏感な反応を示すのか、そして、どの種の音には反応が鈍いのかを判定し、これらに基づき、
   総合的に幼児の言葉の弁別能力を理解した上で、調整が行われます。
   但し、これには確かな観察力、豊富な経験、技術が不可欠な事は云うまでもなく、どの補聴器販売店ででも
   出来るというものではありません。


次は、みみ太郎です。
みみ太郎の場合は、人間と同じ様な耳介を人の耳幅で二つ持ち、この耳介を通し取り込む音を人工的には一切
加工せず、あるがままに脳(聴覚神経)へ送り届けます。この音は、まさに健康な普通の人が耳にする自然の音で
あり、自然な声であり、その取り込む情報量も健聴者と同じ量で、補聴器の及ぶところではありません。

みみ太郎音は、取り込む音や声の質、量共に健聴者と全く同じであり、音が偏らず、聞こえに関係する脳(聴力
神経)全体に満遍なく音や声を伝える為、脳(聴力神経)は健康な人と同じ状態で音情報の処理が出来ます。
野原に咲く花に例えてみましょう。
難聴は、言葉という“花”が音の“野原”に埋もれている状態といえます。
ノンリニアタイプといわれる補聴器では、言葉という花の茎が伸びて“花”の部分だけを見せます。
また、リニアタイプといわれる補聴器では“花”が“野原”に逆に埋もれてしまいます。
デジタル補聴器では、茎や葉のみならず、“野原”も加工した上で“花”を見せます。
みみ太郎は “花”も“野原”も全体をそのまま見せる、という感じでしょうか。

最後に、限られた数ですが、実例を挙げましょう。
札幌と横浜の3歳と4歳児の場合ですが、補聴器は嫌がるのにみみ太郎は使うというケースが2例あります。
お母さんお手製のみみ太郎袋を背中にかけて元気に公園で遊んでいるとのことです。
横浜の子供さんのお母さんは元小学校の先生で、「補聴器で育った高度難聴の子供は、発音に違和感があり、
知能の発達が遅く、聾ではないにしても、どうしても聾学校か特殊教育のクラスのお世話にならざるを得ない
ケースが多かったようです」。みみ太郎はまだ一例で、半年の経過観察ではあるが、「言葉のコミュニケーション
と知能の発達に関しては問題がなく、むしろ脳の発達が促されているのではないでしょうか(注)、という御自身の
体験談を頂いております。
  (注)同一条件下での補聴器とみみ太郎を使用する複数の子供の成長の比較観察によるもの

更に、「子供は補聴器の使用を嫌がります。補聴器では音が充分聞き取れていないのか、それとも補聴器を
通して聞く音への違和感が子供には分かるからでしょうか」、とのことです。 また、「みみ太郎がなければ
補聴器に対しては何も感じなかったが、みみ太郎のお陰で補聴器の欠点がよくわかった」、ともおっしゃって
いました。

短期間の経過観察ではあるものの、教師として実践経験を持つ方のお話しであり、大いに参考になるものと
考えられます。尚、ご自身も語学学習(英語・仏語)のためにみみ太郎を使用しているとのことです。

以上から、結論として、可能な限り「みみ太郎」を使っての脳(聴力神経)の発育を促すトレーニングをされることを
お薦め致します。 音量を上げすぎず使えば、害になることはありません。そして、最後に横浜の方からのアドバイス
ですが、「子供に話し掛けて、反応をみながら使用するのがよいでしょう」、との一言も書き添えておきます。

                                          奥平知明

                                               <2003年6月14日>


以下、後日連絡のあった情報を記載します。

赤ちゃんの難聴の場合で一番大事なのはお母さんと子供のコミニュケーションと観察です。赤ちゃんがどの音に
反応しているのか、そしてどの音に反応していないのかを確実に見極める事が大変重要となります。

子供の能力に誤魔化されてはいけません。と、言うのは3才までの子供は視覚、目による外部状況把握能力が
群を抜いており、超能力にも等しいため、本当は音に反応したのではなくて、母親の動きと表情に反応していても
母親は音を把握し、音に反応しているかのように錯覚しがちです。

3才を過ぎる頃より視覚による外部把握能力が衰える頃(聴力が外部の状況判断に対して重きをおくようになる
時期)に音に無反応になり、親達が、「ああ、この子は耳が聞こえない」と慌てるケースが多いそうです。

お子様とのコミュニケーションを絶やさず、日々の観察を怠らない事が大切です。

                                               <2003年7月26日>



                                            
     
【 「みみ太郎」使用開始後約3ヶ月目のお便り 

秋が近づいてきました。お元気ですか。 こちらは夜がすっかり涼しくなり、虫の音もさかんに聞こえ、過ごしやすく
なっ てき ました。私の方は、息子のことで聴覚障害に興味を持ち、市の手話奉仕員養成講座を受け始め、手話
表現の手、体、表情を使う楽しさ(聴者の時には感情を顔に表すなん てしなかった、それをする楽しさ)に少々
夢中になっています。

さて、私の赤ちゃんのみみ太郎に対する反応ですが、すこぶる良い、という状態 です。はじめて装着したのは
月齢7ヶ月の頃ですが、つけたとたんに、ハッという表情をしました。そのときは電車の通る音(1km)犬の吠え声
(5m)車が家の前を通る音 (6m)に反応していたように見受けられました。 その後は、寝返りもまだの状態
でしたので、イヤホン部分を耳に当て、サージカ ルテープで固定しての装着です。
そうして周りの音や音楽、人の声を聞かせるようにしていました。ただし、息子の主治医がみみ太郎の使用に対し、
賛成ではありませんでしたので 、補聴器と平行して使用していました。

私たちは、文字音声方式(母親方式、金沢方式とも言う)で訓練中なのです。訓練とは言っても、厳しいものでは
なく、先生の指示に従って子供に応じた教材を用意 し (作り)、簡単な手話を使いながら、遊びを通しての文字の
獲得を目指すものです。 これは、文字(その意味、小学2年レベルの文章力)を就学前に獲得し、聞こえる子供と
同じ学校に通うことを目指しています。 主治医のお話では、適切な音量が与えられないこと、補聴器との聞こえに
違いがあること、の理由で時期が早いのでは無いでしょうかとのことでした。自分で音量が調節でき、自分の
意志でイヤホンをつけていられるようになるまで待った方が良いとのことです。

確かに、どう聞こえているのか、本人に聞いてみることはできませんし、寝返りの時期などはつけていることが
できませんでした。 聞こえに関しては、音域の個人差があると聞きますし、私の感じ方のみで、みみ太郎を息子に
使用することが良いことなのかと、ずいぶん迷いました。

それでも、私がみみ太郎にこだわった訳は、一つは、こちらのサイトの奥平レポ ートに強く惹かれたことと、もう
一つは、みみ太郎は、聞こえる私にも遠くの音や鳥の声がより良く聞こえると感じ、また補聴器も近くにいる人の
会話は大差なく良い聞こえがありますが、テレビの音などは何かうるさい音域が含まれているようで耳障りに
思 い、みみ太郎との聞こえ方の違いを感じることができたためです。

その思いに支えられ、機会ある毎につけていました。 簡単に言いますと、私の赤ん坊はみみ太郎と補聴器の
併用です。 その結果、みみ太郎を試聴した初期の段階で、聴覚検査(音の方向を確認する) は、驚くほど良い
結果を出しました。 補聴器の目盛りも、一気に1.5〜1に下げるという状態でした。 それからは、寝返りを打つ
ようになるまではみみ太郎と補聴器を使用。 寝返りの時期は補聴器のみで目盛りは両方を1で使用。

現在はハイハイの時期ですが、サスペンダーにみみ太郎を付け背中にしょって使用中、補聴器も使用していて、
目盛りは補聴器が右2、左1で、みみ太郎の目盛りは4で使用しています。それぞれの目盛りの判断は本人が
嫌がるかどうかです。

聞こえに関しては、上がったり下がったりです。 母親が見ていても同じ状況で、どの音に何メートルで反応したか
メモして、聞こえのレベルがどのくらいなのか判断中です。 今は、補聴器でも、みみ太郎でも呼び声にすぐに
反応する、後ろから鈴を振ると、そちらの方向に振り返ることができます。 また、みみ太郎を使用しているときは
さまざまな音を聞いているようにも見えます が、本人に確かめるすべはありません。

主人が言っていることなのですが、みみ太郎の使用で聴力レベルがあがったとはっき りとは言えないよと注意
されます。 前例も無いことだし、補聴器と平行して使用している、個人差もあるだろうとのことです。私もその通り
だと思います。

また、私が通う手話の講座に主人の残業でどうしても息子を連れて行かなくてはなら ないのですが、そこに
いらっしゃった先生が、息子を見て、自分も補聴器をつけてい たけど、ちいさい頃わずらわしくて自分ではずし
たりしていた。そうしたら聴のレベ ルが下がったから講義を気にせず、補聴器をつけてあげて、とおしゃって
下さっ た。 ですから、聴力を上げるには、適切に調整された聞こえの道具を使用して音を聞かせることが大切
なのだろうと、あらためて私も感じている状態です。

今、聴力を上げることも大切だとは思うのですが、文字のこと、ものには名前があって、人と人との間には会話が
あるのだよということ、聞こえても聞こえなくても君は大切な、存在 しているだけで重要な人なのだよということ、
そして人との関わりかたを教えること 、こうしたことも大事だなと思っています。親の通りにしかならないことも
分かっているので気負いすぎずに行きたいなと思っています。

長い間早くまとめなくてはと思いながら、秋になってしまいましたが、 私自身、聞こえに関して分からないこと
ばかりで、自分の感じたことや思いが中心の内容になってしまいましたが、みみ太郎を使おうとする親御さん
の参考になれば幸いなのですが。

                                                 <2003年9月7日>               

【 その数日後 】

あれから(注:9月7日のメール)、息子にみみ太郎を使用した後、聞こえが良くなったように感じる出来事が
ありました。あの報告をする頃、息子には、しばらくみみ太郎を使用していませんでしたが、 あの報告メール
を送った後、みみ太郎の使用を非常に嫌がり、一度はずしました。 その とき、裸耳だったのですが、声かけに
反応したり、”いないいないばあ”の声に合わせて自分の顔の前にかざした広告を上げたり下げたりしたのです。

私の口を見ているのだろうか?とも思いましたが、広告で顔を隠した”いないいない”のあと”ばあ” で、ちゃんと
広告を下げるということをしました。 このように、自分でも判断がつきにくい事柄がたくさんあって、本人に
聞こえた?っ て確認できなくて、困ってしまうのですが、確認できない分、断言できないような報告内容なのです
ということを、他の人にも分かってもらえたら良いなと思います。

                                               <2003年9月14日>


                           



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