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難聴者や補聴器を取巻く環境 73 対 4,090,000 104 対 2,540,000 129 対 13,500,000 3,750 対 75,000 37,100 対 268,000 この数字は何を表しているかお分かりになるでしょうか?同じ物を比べた結果とすればあまりにも大きな差が あります。そう、文字通り桁違いの差があります。 表を完成すればこのようになります。 日 本 米 国 難聴(hard of hearing) 73 対 4,090,000 補聴器(hearing aid) 104 対 2,540,000 聞こえについて(hearing) 129 対 13,500,000 メニエール(Meniere) 3,750 対 75,000 耳鳴り(Tinnitus) 37,100 対 268,000 これは、ヤフー日本版と米国版でそれぞれの言葉で検索した結果得られた登録サイトの数です。 (2003年11月22日現在) 今一度、よぉ〜く見比べて下さい。どうお感じになりましたか? 『補聴器愛用会』は、従来より聞こえや補聴器に関する“活きた”、“使い物になる”情報の欠如を声高に訴えて いますが、これ以上、この事実を如実に語る物はなく、又これに反論する者もいないでしょう。情報は質であり、 数、量の問題でないのは当然としても、この現実は遥かそれ以前の状態です。 日本の難聴者や補聴器を求めんとする者、及びその家族は情報面でも致命的なハンディキャップを負っている 事は明らかです。 今一つ、この数字は本質的な事柄を物語っています。もう一度それぞれの国の内容と数字を見比べて下さい。 日本の場合、情報量が少ない中でもメニエール病や耳鳴りに関してはまずまず情報が提供されています。 何故でしょう?これは、学問的な専門情報はそれなりに発信されているが、聞こえについてや生活上での悩み、 補聴器の選び方、難聴者との接し方等々、難聴者が、補聴器装用者が、そして身近に位置する家族や友人が 渇望して止まない基本的で、日常生活的な“活きた”、“使い物になる”情報が殆どない事を意味しています。 「ハードに強く、ソフトに弱い」という我国の一般的な傾向がここにも顕著に見受けられます。 一方、米国の場合を見ると、日本とは全く逆のピラミッドを形成している事に気が付きます。少なくとも専門家の お題目的な耳の構造話しや、学会報告的な内容、補聴器技術論や取扱い要領等よりも、難聴で困っている人や 身近な者が抱える悩みや問題に即応する、或は解決のヒントを与える、或は救いの手を差し伸べる情報が 圧倒的に多い事を示しています。 又、情報の提供の仕方にも大きな違いがあります。日本の情報は、生徒の存在を無視し、教授が抑揚の無い 一本調子で、只マイクに語りかけるが如き無味乾燥で催眠性の高いものが多く見られますが、米国の情報は 質が高く、量も豊富で、内容は具体的であり、しか.も読み手の目線で語りかけているものが多い為、理解しやすく、 問題を考える切っ掛けや、取組み方法、或は解決へのヒントが得られる可能性が高いといえます。 掲載中の「Dr.Miekoレポート」は外の世界へと目を見開かせてくれます。そして、垣間見る米国の現実、現状は 「我国は圧倒的に“補聴器後進国”で、米国に遅れる事、2,30年」と云う事実を否応無く認識させます。 両国共、関係団体はホームページを持っており、一般向けに種々の情報を提供していますが、情報の質、量、 業界の姿勢、社会への呼びかけ等に大きな差異が認められます。言葉の問題は別として、両国のホームページの 文字の数だけでも比較し、我国関係業界がお客様や一般社会に提供する情報に“一片の紙切れの重さ”があるか どうかをご自身で確かめてみて下さい。 ■メーカー関係 日本補聴器工業会 http://www.hochouki.com/ 「FAQ」ページ Hearing Industries Association http://www.hearing.org/splash.htm “Information on Hearing Health(一般向け情報)”ページ ■補聴器販売店関係 日本補聴器販売店協会 http://www.jhida.org/ 「補聴器Q&A」ページ International Hearing Society http://www.ihsinfo.org/ “Consumer Resources(一般向け情報)”ページ 最後に、今までの「Dr.Miekoレポート」も踏まえ両国の“補聴器環境”を比較すると次のようになります。
意味せず、又言語聴覚士の道を選んだ者が一人前になり、我々の身近な存在になるのは まだまだ先 国内の情報や現状のみに目を奪われていると、実態を見誤る危険性があります。そして、その実態が好ましくない 場合は、往々にして業界内身内同士での馴れ合い的な低い次元での発想と対応、対処となり、低い次元での自己 満足に終始する恐れもあります。 今後とも、皆で“補聴器環境”を怠り無く見守る事としましょう。 松谷 明人 <2003年11月22日> |