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聴覚援護機器
目覚し時計が鳴っても夢の中。 時計は鳴りくたびれて、一休み。
ドアチャイムが鳴っても分らない。 来客は待ちくたびれて、Uターン。
電話が鳴っても知らん顔。 相手はかけくたびれて、ガッチャン。
窓口で呼ばれても聞こえない。 本人は待ちくたびれて、後回し。
補聴器を使っていても日常生活の色んな場面で不十分な聞こえのせいで自分が困ると同時に相手を困らせ
たり、戸惑わせたり、怒らせたりと様々な困った問題が起きます。
補聴器は損なった聞こえを補ってくれ、程度の差はあれ聞こえが向上し、より良い音のある生活をもたらして
くれますが、“普通の生活”とは距離があるようです。
そこで登場するが、補聴器愛用者自身が一念発起で長年研究、開発し、製造、販売に漕ぎ着けた“聴覚援護
機器”の数々。
振動で、光で、そして文字で聞こえを援護するこれらの製品が役立ちます。
ご紹介しましょう。福祉機器製造販売を手掛ける株式会社 東京信友の斎藤 勝さん(代表取締役)が聴覚
障害者の生活改善に役立てるべく開発された製品の数々です。
◆シルウォッチ(Sil Watch System)
送信器(玄関用1個、ファックス用1個、及び受信器(腕時計型)1個の
セット価格で87,400円(非課税:福祉目的の購入の場合)
・基本的な仕組みは、赤ちゃんの泣き声やドアチャイム、電話等を感知するセンサーやマイクを赤ちゃんの
傍に置いたり、ドアに取り付けたり、電話に接続し、そこから送られて来る電波を腕時計型の受信器に
振動や文字、音で知らせる仕組みとなっています。
・受信器の情報伝達方法は、
@振動 送信器からの情報を振動で伝えます。(携帯電話並みの強さ)
A文字 最大10文字の表示が可能で、例えば「ゲンカン」、「ケイホウ」等と表示し、発信情報の
内容を伝えます。
Bアラーム 設定した時間を振動で知らせる機能付で、目覚しとしても使えます。
・主な伝達情報内容は次の通り。
【 用途 】 【 シルウォッチでの表示 】
来客がある場合 ゲンカン
電話やファックスが着信した時 ファックス
火災警報が作動した時 ケイホウ
侵入警報が作動した時 ケイホウ
赤ちゃんが泣いたとき コール
呼び出しを知らせる場合 コール
携帯電話の着信 ケイタイ
目覚し機能 メザマシ
例えば、来客があり、ドアのチャイムが鳴ると、その音をセンサーが感知し、送信器がその旨受信器へ
情報を送り、腕時計の液晶表示部分に「ゲンカン」と表示します。
・送信器からの電波到達距離は150〜200mです。屋内等で送信器と受信器の間にある障害物により
受信可能範囲は異なりますが、一般の家庭内での使用には全く問題はありません。
・他者の同類製品との際立った違いは、その通信距離の長さと感度の安定性です。「特定小電力という電波」
を使用するため、一般的な「微弱電波」を使用する他社製品では不可能な長い通信距離が得られ、しかも
電波の強さは携帯電話の数百分の一程度で人体への影響の心配はありません。
・基本機能は、振動、文字表示、時計、アラーム、呼び出し機能となっています。
(シルウォッチの「シル」は「シルバー」と「知る」の掛け合わせ)
◆キューブライト
送信器(シルウオッチのものと同じ)25,000円(非課税)、26,250円(税込)
キューブライト 45,000円(非課税)、47,250円(税込)
・シルウォッチの機能を手の平サイズにした最新型で持ち運び、首掛けにも出来る携帯型光受信器で、各種の
信号を光(高輝度LEDランプ点滅)、振動、音、文字表示の4つの方法で知らせます。
・基本機能は、ランプ点滅、振動、音、文字表示、時計、アラーム、呼び出し機能となっています。
音は選択出来、不要な場合は切り替えスイッチで音を出さないように出来ます。
・送信器はシルウォッチと共通に使えます。
◆Wake V
ブラック 10,479円(税込)
ホワイト 10,479円(税込)
・文字通り、強力な振動で時間を知らせる腕時計です。
(筆者は同社を訪問時、この振動を体験しましたが、机の上で振動させると大きな音を立て、時計が跳び
上がらんばかりに振動し、この振動を感じない人はまずいないでしょう。)
・特徴はアラーム音が鳴らない事で、強い振動で目を覚ます事が出来る為、周りの人に迷惑をかけることは
ありません。
・旅先や出張先、会議、接客中にも人に気付かれずに時間を知らせてくれる為、聞こえに関わらず誰でも
重宝に使える逸品です。
◆緊急自動車接近通知システム
近日、新型発売予定
・100m以内に近づいたパトカーや救急車のサイレンが発する“音の波形”を感知し、フラッシュライトで
知らせます。
・センサーマイクは車の天井に取り付け、コードで車内の本体に接続する仕組となっています。
◆新製品の開発について(関係者から)
聴覚障害者である弊社代表(斎藤勝代表取締役)は聴覚障害者の日常生活を自由で安全なものにするべく、
自分の専門外であるにも拘らず福祉機器の開発に熱心に取り組んで参りました。
特に、聴覚障害者の屋内信号装置の遅れに気づき、改善のために何かできないかと思い技術関係者と相談し
自費を投じていくつかの試作品を作りました。 その構想が従来の信号装置にはない全く新しい試みであると
絶賛され、会社として開発に取り組むこととなりました。
私達がなし得た成果は、腕時計に各種の情報を受信できるようにしたことです。聴覚障害者が日常の動きの
中で腕にバイブレーションを感じ、直後にデジタル時計表示がメッセージに変わるシステムです。
このシステム即ち「シルウォッチ」の開発段階ではさまざまな困難がありました。もともと腕時計型受信器は過去に
多くの人が考えてはいましたが、実現できなかった事情があります。
腕時計という限られた形状の中に様々な情報を受信する機能をもたせるには解決しなければならない幾多の
困難があります。小型化のための専門分野の事柄以外で、一般的に容易に理解される困難が2つあります。
1つは電池寿命です。
受信器は常時受信のために自らも電波を出しています。その為の電源が必要です。携帯電話の電源である
電池は腕時計に入れるには大きすぎます。しかし、使用時間はせいぜい数十時間です。腕時計に入る電池は
当然小さくなり、コイン型電池しか考えられません。そうだとすると通常の使用では2時間前後しかもたない
のです。この問題の解決のため、節電に向けて極端な間欠動作、その他考えられるあらゆる方法を施しました。
2つ目は受信感度です。
受信器内にはアンテナが内蔵されています。1センチ内外のアンテナの感度をいかに上げるかです。アンテナは
指向性がありますので、人の動きや腕の位置などによって受信感度は大きく左右されます。このほか高周波
回路がきわめて狭い部分に実装されるためパワーアップによるノイズ、CPU回路からのノイズなどとの相互
干渉が著しく、回路のハイブリッド化に併せて基盤のグランドパターンの強化、回路自体のローインピーダンス化
に努めました。
◆会社について
1998年に福祉機器事業部が立ち上げられ、本格的に「聴覚障害者のより自由で安心のいく生活」の為の
聴覚障害者用の情報機器の開発が始まり、翌年に研究、開発が結実し、「シルウォッチ」の登場となっています。
会社の沿革、並びに概要詳細はこちらをご覧下さい。
そして、これらの開発が高く評価され、東京都及び新宿区、東京商工会議所より表彰されています。
◇受賞歴
1.東京都ベンチャー技術大賞奨励賞:平成13年10月 石原東京都知事より
表彰理由:シルウォッチの開発に対する評価
大手企業も実現し得なかった特定小電力の採用により送信器と受信器の通信距離を飛躍的に
高め、受信感度を安定したものとし、且つ腕時計に情報端末機としての機能を持たせた事。
2.新宿区及び東京商工会議所新宿支所から優良企業賞経営革新賞受賞:平成14年3月28日
表彰理由:主にパンチングウォッチの開発に対する評価
斬新なアイディアで腕時計を強力な発振体とし、時間を振動で知らせる事により、聞こえの不自由な
人々の生活改善への貢献が顕著と評価された事。
★ 割引の取扱いについて
下記の項目をこのメールにコピーし、各項目記入後、お送り下さい。
折り返し詳細をお知らせします。
1.氏名:
2.住所:
3.電話番号(ファックス):
4.希望の商品名:
<2005年12月22日>
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