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              ちょうじわい
             超磁歪骨伝導ヘッドフォン  「フィルチューン」









 聞えの良し悪し(難聴、健聴)を超え、補聴器やヘッドフォンの区別を超え、既存の骨伝導技術を超えた
補聴器具兼音楽観賞用ヘッドフォンとしても使える超磁歪
(ちょうじわい)骨伝導ヘッドフォン、「フィルチューン」の
ご紹介です。 



空気を振動させ伝わって来る音を人は二つの音で捉えています。一つは耳を通し聞く「気導音」、もう一つは
頭骨を通し聞く「骨導音」です。

一般的に音を聞くと言えば反射的に前者の耳から聞く気導音を思い浮かべ、骨を伝わってくる骨導音に
ついては言葉として、或いは知識として知っているという程度で具体的にどんな音で聞こえるか見当も
つかないという方が多いのではないでしょうか。

補聴器は気導音で、「フィルチューン」のような骨伝導器具は骨導音で話し声や音楽を聞かせてくれますが
この「気導音」と「骨導音」には音の伝わる経路に大きな違いがあります。
    気導音: <音> → 外耳 → 中耳 → 内耳 → 聴覚神経 → 脳

    骨導音: <音> →  → 頭 骨 →  →  内耳 → 聴覚神経 → 脳


骨伝導器具自体は決して目新しいものではなく、筆者も今まで店頭で新製品が目に留まれば必ず試して
いましたが、どれもこれも何か癖のある音で肌に合わず、ましてや音楽鑑賞等は思いもよらずこんなもの
なのかという程度の認識に留まっていましたが、今回初めて「おぉ、これは、、、」と思わず口にするような
製品に出会いました。


「未来の音が聴こえる 圧倒的な高品位サウンドを実現した『未来の耳』」、とはメーカーの謳い文句
ですが、開発者の方のお話を伺い、何故に従来品の骨伝導器具の聞えはどれもこれも何か違和感を感じ
させる聞えなのか、そして、何故に「フィルチューン」では繊細で透明度の高い音が聞けるのかその謎が
解けました。  

人の聞えの仕組みや骨伝導、製品についてのより良き理解のみならず、音の不思議さ面白さを知る為にも
一読されることをお勧めします。 


                                         『補聴器愛用会』
                                            松谷明人










■「フィルチューン」について
   開発・製造     フレェイ株式会社
   開発者       同社代表取締役社長  鈴川元昭 
   製品名       フィルチューン(BCHS-FT002)



人は耳による聴力(気導)と、超聴感覚な聴力(骨導)を兼ね備えており、第二の聴覚とも言われる「骨伝導」の
歴史は古く約1世紀前にさかのぼります。

世界初の電気補聴器(骨伝導を含む)の原型を発明したのは、電話の父グラハム・ベルと言われています。
ベルの母も妻も聴覚障害者だったようですが、ベルの父メルヴィル・ベルが考案した視話法(Visible Speech)を
用いて、ベルが言語認識を普及させる過程で電気技術を応用して電話機が発明され、電気補聴器が開発されて
行くことになります。従って、電話技術の原型は、電気補聴器の原型でもありますが、当時補聴器は耳に入れる
という概念は無く、耳に押し付けて気導と骨導とを兼用するものでした。

最近では、携帯電話の付加機能や携帯音楽機器等としても骨伝導技術の応用が模索されだしていますが、
あくまで骨伝導機器は耳(気導)の機能を補うものと位置付けられ、ユーザーの関心や高い要求を満たす製品は
皆無といってよく、その技術水準も一世紀の歴史を持つ精密機器にしては、大変立ち遅れていると言えます。

第二の聴覚とも言われる骨伝導の秘める大きな可能性に注目し、開発したのがこの「フィルチューン」です。

「フィルチューン」は、広い意味では骨伝導機器の一つですが、その技術の核心となる部分は、これまでの
骨伝導機器とは大いに異なっています。それが「超磁歪(ちょうじわい)トランスデューサー」と呼ばれる新しい
技術です。この「超磁歪トランスデューサー」を心臓に持つフィルチューンは、従来型の骨伝導製品群の規格を
遥かにしのぎ、人の聴覚の可聴域をもすっぽり包む広い音(周波)域をカバーしています。会話や生活音と
いったあくまで必要最低限の音声情報を伝えることを意図してきた従来の骨伝導製品に比べ、はるかに繊細で
クリアーな音声の伝達を可能にしています。

特に、さまざまな音楽ソフトを高品位のサウンドで再生するクオリティーには驚かれるでしょう。オーケストラの
ような豊かな音域とそれぞれの楽器の繊細なニュアンスまでを同時に再現する、極めて高い再生能力を持って
います。

「フィルチューン」はヘッドフォンや補聴器といった区別を超え、音を聴く「未来の耳」を実現した結果、この情感
豊かで臨場感溢れる音を聞えの良し悪しにかかわり無く、全ての人々が楽しめるユニバーサルデザイン
(共用品)となっています。



■開発者との一問一答
 「フィルチューン」の生みの親であるフレェイ株式会社、代表取締役社長 鈴川元昭氏にお話を伺いました。

【問】フィルチューンは「超磁歪骨伝導ヘッドフォン」ですが先ず、骨伝導とは何ですか?
【答】私たちの聞こえのしくみは、「音を伝える器官」と「音を感じる器官」の二つの機能をもった聴覚器官で
 構成されています。どちらか一方でもその機能が正常に働いていないと聞こえが悪くなってしまいます。
 聴力検査では、それぞれの聴覚機能の状態を診るために「音を伝える器官」と「音を感じる器官」の両方を
 チェックしています。

 では「音を伝える器官」、「音を感じる器官」の状態をどうやって区別し調べているのかご存知でしょうか。
 じつは、これに利用しているのが「骨伝導」なのです。私たちが音を聞くとき、空気を伝わって耳に入ってくる
 音以外に、頭の骨を伝わってくる音、つまり「骨伝導」によっても聞こえるしくみをもっています。空気を
 伝わってくる音を「気導音」とよび、骨を伝わってくる音を「骨導音」といいますが、この音の伝わり方の違いを
 利用し「音を伝える器官」、「音を感じる器官」の機能検査をしているのです。

 「気導音」のプロセスは、空気を伝わってきた音(空気の波)が耳介に集まり、外耳道を通って鼓膜が振動し、
 その先にある耳小骨へ振動が伝わり「音を感じる器官」へ届きます。一方、「骨導音」は頭の骨を伝わってくる
 音ですから「気導音」の「音を伝える器官」を通らず、「骨導音」の主成分が直接「音を感じる器官」へ届くのです。
 つまり「骨伝導」は、鼓膜、耳小骨といった外耳、中耳の「音を伝える器官」を使わなくても音が聞こえるしくみに
 なっているのです。

 聴力検査では、耳の後ろに骨導用振動端子をあて骨導聴力を調べます。これとヘッドフォンを使った気導
 聴力の聞こえの程度を比較し、骨導聴力の方が聞こえの程度が良ければ「音を伝える器官」に なんらかの
 不具合があることがわかるのです。また両方とも同じよう聞こえの程度が悪い場合は「音を感じる器官」に
 不具合があることが予想されます。

 ふだん私たちは「骨伝導」を意識することなく生活をしていますが、「骨伝導」はもともと身近なものです。
 例えば、私たちの自分の声は、耳から入ってくる音と、骨を伝わって聞こえる「骨導音」がミックスされたもの
 ですから。

 そして「フィルチューン」は、究極の「骨伝導」による音の聞き方を追求した製品なのです。

 聞こえのしくみは、人類が大気中の生活を選択し、その進化の過程で獲得・発達させた聴覚機能です。
 耳から入った音が大脳で理解されるまで、
    音響エネルギー(外耳) → 機械エネルギー(中耳) → 水力エネルギー(内耳) → 電気エネルギー
    (聴覚神経) → 大脳
 といった複雑なエネルギー変換がなされています。

 もし、進化の過程で、私たちが水中での生活を選んだとしたら、「骨伝導」の方が当たり前の音の聞き方
 だったのかも知れませんね。

 なお最新の研究によると、「骨伝導」による振動伝達は@耳小骨慣性力、A中耳壁振動、B蝸牛振動、
 C内耳液慣性力、D外耳道の5つのルートがあると考えられています。


【問】それでは次にフィルチューンの聞こえの秘密となる超磁歪(ちょうじわい)とはどんなものですか?
【答】骨伝導ヘッドフォン「フィルチューン」の聞こえの秘密は、究極の「骨導音」を追及するため開発した独自の
 骨導振動装置です。この装置は、皮膚を介し頭の骨へ音の振動を伝え、「音を感じる器官」の内耳まで届ける
 重要な役割を担っており、空気を介し鼓膜を震わせる気導補聴器等と比べ何倍もの大きな力を必要とします。
 実際、オーディオ製品のスピーカを頭につけても「フィルチューン」のように「骨伝導」では聞こえません。
 したがって、この駆動装置の能力が骨伝導ヘッドフォンのクオリティを左右する決定的な要素となります。

 これまで販売されている骨伝導製品の振動装置は、磁石とコイルを使った電磁方式か圧電素子を用いて振動
 させる方式が代表的なのですが、「フィルチューン」はこれまでと全く異なる方式を採用しています。それが
 「超磁歪方式(ちょうじわい)」です。
 「超磁歪」とは、超(スーパー)+磁歪(じわい)という意味です。ですから超磁歪を説明するためには、まず磁歪
 からスタートしなければなりません。

 磁歪とは、磁石に引き寄せられる金属(例えば鉄など)が磁石に近づいた時、その金属が伸びたり縮んだりする
 物理現象のことを言います。「そんな!どうして硬い金属がゴムみたいに伸びたり縮んだりするの?」 もちろん、
 いくら視力の良い方でも、その金属が伸びたり縮んだりしている様子が直接見えるわけではありません。しかし、
 顕微鏡で見るとミクロ世界で磁石に引き寄せられた金属の形状が僅かですが変化しているのです。こうした
 磁歪効果の巨大な合金(希少金属を含んでいます)を超磁歪素子と呼び、この超磁歪素子が磁歪効果によって
 伸縮するスピード、発生する力は他の素材・技術を圧倒する優れた駆動能力をもっています。

 フレェイ社が究極の「骨導音」に不可欠な要素を充たすこの超磁歪素子を使って、世界に先駆け開発・製品化
 した骨導ヘッドフォンが「フィルチューン」なのです。
 超磁歪素子は戦略物資の対象マテリアルでもあって、現在輸出の際は国の許可を必要とするハイテク素材
 なのです。


【問】この超磁歪素子を使って開発された超磁歪トランスデューサとはどんなものですか?
【答】トランスデューサとは「変換器」という意味で、あるエネルギーの形態から別のエネルギーの形態へ変換する
 ために作られた装置です。

 例えば、私たちの身近な製品で言うと、モーター等もトランスデューサの一つです。モーターは電気的なエネルギー
 (形態)を使って回転運動という機械的エネルギー(形態)に変換させます。
 つまり「フィルチューン」の超磁歪トランスデューサとは、超磁歪素子の磁歪による形状変位を利用し、音声信号
 (電気的信号)を骨伝導に必要な振動(機械的運動)に変換するエンジンというわけです。フレェイ社では、
 高効率で振動変換する小型の超磁歪トランスデューサの開発を成功(特許権取得済)させ、この全く新しい
 高性能な骨伝導ヘッドフォン「フィルチューン」を誕生させました。



【問】フィルチューンは難聴者向けに開発されたものですか?
【答】元々のフィルチューンの開発コンセプトには、健聴者や難聴者といった区別は全くありません。
 何故なら、「気導で聴くことが可能な全ての音(或いはそれ以上)を骨伝導で再現すること」、これが開発目標
 だったからです。
 
 「フィルチューン」は聞こえの不自由な方、健聴者を問わず多くの方々に使われるユニバーサル製品(共用品)
 を目指しています。ヘッドフォンや補聴器といった区別を超え、高音質な音を聴く新たな選択肢を提供すること、
 これがフレェイ社の熱い思いであります。


【問】脳の聞こえを司る部位に機能不全が無いとした上で難聴の種類とフィルチューンによる一般的な聞こえ
 具合についての説明をお願いします。
【答】聞こえは人それぞれ異なり数値化は出来ませんが、一般的な聞こえ具合は次の通りです。
  ◇伝音性難聴:「音を伝える器官」外耳、中耳の不具合による難聴。
    伝音性難聴の方にはフィルチューンの100%の効果が期待できます。したがって、健聴者と同じ音質で、
    同じように聞こえます。

  ◇感音性難聴:「音を感じる器官」蝸牛(センサー)と聴覚神経の不具合による難聴。
    音の振動が電気信号に変換され伝達する神経系統の障害ですから、具体的な音の聞こえ方は千差万別
    です。聴力テストの数値だけでは一概に判断が難しい難聴です。
    したがって、フィルチューンの聞こえの効果も個人個人よって異なります。
   ‐殆ど、或いは全く効果の無い方
    振動は感じとれる様ですが、音としては認識されません。(センサー及び神経系統の重度異常ですから
    補聴器を使用しても効果が無いか、微少な効果しか得られないでしょう。)
   ‐聞こえが改善される方
    現在、骨導聴力検査で使用されている骨導用振動装置は、フィルチューンの振動装置ではありません。
    従来の装置を使って判定した骨導聴力判定とフィルチューンの超磁歪トランスデューサでの骨導聴力判定
    とは当然数値が異なることが予想されます。骨導聴力を判定する物差しが違うと言えます。したがって、
    感音性難聴の方々にもフィルチューンの聞こえの効果が期待できます。

  ◇老人性難聴:「音を伝える器官」「音を感じる器官」そして大脳で音を理解する聴覚全体のプロセスが老化に
    よって機能低下し、これら障害の蓄積によっておきる難聴。
    歳をとると鼓膜や耳小骨が固くなって動きが悪くなり、音の伝達効率が低下してきます。
    また加齢とともに、「音を感じる器官」の機能低下によって高い音が聞こえづらくなります。このような方々
    には、フィルチューンによる聞こえの改善が大いに期待できます。

  ◇混合難聴:伝音性難聴と感音性難聴の両方の特徴を併せもった難聴。
    どちらの度合いが大きいかは個人差によります。したがって、フィルチューンの効果も個人個人によって
    異なります。


  唯、一言付け加えると、気導分野に比べ骨導分野はまだまだ未知、未開の分野であり、限りない可能性を
  秘めています。
  例えば、その一つに骨導超音波があります。私たちが、気導で聞くことが可能な音の高さの上限は24kHzと
  言われています。しかし、骨導経由ならそれ以上の高い音(超音波と言います)であっても知覚することが
  可能だという研究報告があります。
  この効果を利用し、全く新しい骨導補聴器の研究が行われているのです。私たちの言語を超音波にのせ
  (振幅変調と言います)骨導経由でこれを伝達させたところ、聴覚健常者、中等度難聴者で100%、
  高度難聴者で50%以上の被験者がその言語を知覚することができたとの報告があります。この被験者の
  中には完全難聴者及び人工内耳装用者もいて、彼らが、この骨導超音波が聴取できたことは、「音を感じる
  器官」蝸牛を経由しない骨導による伝導路の存在を示唆しています。
  このような最先端医療分野にフィルチューンが使われる日が来るのもそう遠くないかもしれません。


【問】筆者も音楽が好きで今回、フィルチューンで半日近く連続して音楽を聴きましたが、音質の面で今まで試した
 骨伝導補聴器やヘッドフォンと比較してフィルチューンに勝るものはおろか匹敵するものは無かったと言えます。
 この素直で美しい音の秘密は何ですか?
【答】もちろんその最大の秘密は、超磁歪トランスデューサのパワーでレコーディングされた音楽を忠実に振動に
 変換し、骨伝導によって効率良く伝わっているという事実につきます。

 音楽には、低い音や高い音、小さな音から大きな音、また様々な楽器の音色などの要素が複雑に絡みあって
 構成されています。また、楽器や音声には倍音成分という基本となる音の周波数の整数倍の音がいくつも
 含まれています。例えば、楽器で2kHzの高さの音を演奏したとします。この基本の音(2kHz)に対してその
 整数倍の4kHz、8kHz、16kHz・・といった高さの音も同時に重なり合って楽器特有の豊かな音色がうまれて
 いるのです。もし、倍音を消し去り基本となる音だけで聞いたとしら、何億円もする楽器でも安っぽい音色に
 なってしまいます。

 このように倍音は楽器や音声にとっては非常に重要な成分なのですが、再生する装置にこの倍音を再生する
 能力がなければ、結果、聞こえる音楽も安っぽい音になってしまいます。補聴器で音楽を聴いたらそう感じる
 はずです。なにせ音の再生能力の上限が8kHzぐらいですから、健聴者であってもそれ以上の倍音成分の音が
 まったく聞くことができません。フィルチューンの美しい音の秘密のひとつ、これが高音の再生能力です。なんと
 25kHzまで可能なのです。私たちの可聴領域の上限である24kHzを全てカバーしているのです。これは骨伝導
 製品として、これまで考えられなかった画期的な能力の高さです。

 もうひとつフィルチューンの澄んだ音質の秘密をお話しましょう。それが応答速度の速さです。 応答速度とは、
 音の信号を骨伝導の振動に変換するまでに要するスピードです。100m走でいえばスタートダッシュの早さです。
 他社の骨伝導製品で使われているコイルと磁石の方式ではこれに1000分の1秒かかります。フィルチューンは
 百万分の1秒です。
 これは何を意味しているかというと、高い音の再生が歪なく綺麗に実行できるということです。また応答速度の
 速さは、エネルギーが大きいという意味でもあり、骨伝導に不可欠な振動伝達の力の源となっています。
 これらが骨伝導製品の中で群を抜く音質をもつフィルチューンの秘密なのです。


【問】フィルチューンの使用方法や特徴について簡単にご説明下さい。
【答】フィルチューンは気導で聴くことが出来る全ての音を骨伝導で再現するものですから、会話の聞き取りや
 テレビ、音楽鑑賞等に聴覚障害者もシルバー世代も健聴者も隔てなくお使いいただけます。

 ◇会話
  フィルチューンにお手持ち、又は市販のマイクを接続すれば補聴器具として相手の声や、周囲の音を聞く
  ことが出来ます。(聞こえ具合に関しては『補聴器愛用会』で実施された試聴報告をご覧下さい。)

  従来型の骨伝導製品の顕著な違いは従来品は会話や生活音といったあくまで必要最低限の音声情報を
  伝えることを意図していますが、これに比べフィルチューンははるかに繊細で、明瞭、クリアーな音声の伝達を
  可能にしています。

  (注)市販のプラグインパワー対応(φ3.5mm)のステレオマイクが使用できますが、使用するマイクにより
     聞こえ方は異なります。
     <参考例>
      1)ソニー ECM-DS70P(市場価格で5,000円前後)
         音質はこのクラスでは一番で慣れてくればL(左)/R(右)の違いの把握も可能。
      2)パナソニック RP-VC201(市場価格1,600円前後)
         周りの音をなんでも拾いますがL/Rの区別はつきません。感度は良好。
      3)audio-technica AT9830(市場価格1,600円前後)
         上記パナソニック製品と同性能。

 ◇テレビ
  フィルチューンをテレビやその他の音響機器に接続すれば、音量を絞ってもはっきり、くっきり聞え、又耳を
  塞がないため疲れず、テレビを聞きながら、電話の着信音やドアの呼び鈴を聞くことが出来ます。

◇音楽鑑賞
  フィルチューンで是非音楽をお楽しみ下さい。他の骨伝導補聴器やヘッドフォンで聞く音との歴然とした
  違いには驚かれるでしょう。


【問】これからも難聴者用の補聴器具の開発は期待できますか?
【答】現在開発中です。

 これは前後や左右の位置情報まで知覚できる全く新しい立体方位感をもった骨伝導補聴器(医療機器)で、
 フィルチューンの音質の特徴をそのまま活かしたものです。現在のフィルチューンからさらに小さく軽量になり、
 専用マイクを内蔵したものです。 発売時期は未定ですが、ぜひご期待下さいませ。

 これまでの補聴器の既成概念を根底から覆します。皆様からのエールを心よりお願い申し上げます。



■開発ストーリー

★1998年冬、超磁歪(ちょうじわい)との出会い!
 1998年冬、横浜で磁性材料の研究者[I氏]を紹介された。
 当時、私(現取締役社長 鈴川元昭)は、パソコンとユーザー間をコミュニケイトする新製品設計のため、
 高性能な小型スピーカを探していた。[I氏]は、鞄の中から懐中電灯に似た形状の装置を取出し「これは
 わたしの設計した超磁歪振動子です、聞いてみますか?」と言った。ラジカセのラインアウトとその装置の
 入力部を結線、音はしなかった。しかし、その装置の先端がテーブルに接触した瞬間、部屋中に音楽が
 流れ出した・・ お世辞にも良い音とは言えなかったが、その可能性を私は直感した。

★1999年秋、『フレェイ社』起業!
 1999年秋、世の中にない新しいものを"超磁歪"で創りたい…世に貢献したい…そんな思いで株式会社
 として『フレェイ社』を興した。会社の由来は、平たく言えば「みんながんばれフレーフレー」とエールを送る
 意味で、偉そうなことを言えば、万人の人々が豊かさを分かち合えるようにと、北欧神話の「豊穣の神」を
 引用した。
 起業してから1年はあっという間に過ぎ去り、資本金は研究・開発費用でほとんど使い尽くしていた。 当時、
 超磁歪素子はグラム単価が金(GOLD)と同じで、財政事情を考えればとてつもなく高い物だった。私は、
 超磁歪素子を目的のサイズに変えるのに、昼夜を問わずヤスリで削った。粉をじっと見つめながら!

★常識に囚われるな! 超磁歪トランスデューサー開発!!
 常識に囚われないこと、それが基本コンセプトだ。
 超磁歪の魅力は、応答速度・発生応力の高さにあった。それは、超磁歪振動子による骨伝導の革命を
 示唆した。
 わたしは骨伝導にターゲットを絞った。「骨伝導」という言葉も一般にまだ認知されてなく、医学の世界も
 人間の骨伝導能力に高いポテンシャルがあるなんてそんな認識もなかった。まして骨伝導はモノラルで
 ステレオ効果がないという研究者もいたくらいだったから・・でも従来技術で作られた振動子のクオリティが
 低いっていうだけの理由に過ぎないのでは? そんな疑問から徹底した振動子の音質にこだわる研究が
 スタートした。早々、我が社は、S社と機密保持契約を締結し、特別プロジェクトチームが編成され、デバイスの
 試作を開始。2002年春、設立2年半目に求める音質に近い100g重量のデバイスが完成した。次に、100g
 デバイスの小型化へと向かった。目的は、骨伝導ヘッドフォン! 2003年正月、1/5のダウンサイジングに
 成功、20g重量の超磁歪振動子が完成し、骨伝導ヘッドフォンの1号機が産声を上げた。 そんな折、心強い
 仲間が我が社に加わった。
 私同様、超磁歪に新しい可能性を直感した[K君]だった。

★〔K教授〕との運命的出会い
 ここから、私と[K君]との壮絶な二人三脚が始まった。
 骨伝導分野に於ける世界的権威者[K教授]と接見する機会を得た。 もちろん先生は、フレェイ社など知って
 おられるわけでもなかった。私は、完成した1号機をオペ後で疲れていた先生に手渡した。「超磁歪という新しい
 技術を応用した骨伝導ヘッドフォンです。」おそらく先生のもとには、数え切れないほどの医療メーカが訪れ、
 同じようなプレゼンをしたに違いない。先生はヘッドフォンを装着し、長い沈黙の五分間がはじまった。先生の
 応接間は息遣い以外物音ひとつ聞こえなかった。 静寂は先生の大きな声で破られた。「素晴らしいよ!
 鈴川さん。これは凄いよ!」私は、超磁歪の力を心から感謝した。2ヶ月後、先生から文部科学省の「独創的
 革新技術開発研究提案公募制度」への申し込みをしてみないかとの提案を受けた。この1号機を製品化する
 ためのまたとないチャンスだった。私と[K君]の徹夜の日々が続いた。二人で「ハイクオリティーの全く新しい
 骨導補聴器の開発」という表題の申請書を仕上げたのは締め切り当日の30分前、本当にギリギリで文部
 科学省に投函した。
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★2003年夏、『フィルチューンデビュー!!』
 2003年夏、調布の味の素スタジアムで開催された東京ジャズに、我が社は耳の聞こえの不自由な方を100名
 ご招待した。フィルチューンが技術的にいくら優れていようが、聞いてもらう人、つまり"場"がなければ単なる
 機械に過ぎない。そこで"場"の仕掛け人、[T爺]が我が社に加わった。 フィルチューンとは骨伝導ヘッドフォン
 1号機の商標である。東京ジャズはこのフィルチューンを使う初の音楽ライブであった。「耳の聞こえの不自由な
 方に音楽を楽しんでもらう」本当にこれが将来日常的に行われるなら感無量だ!中途難聴者が40年ぶりに
 音楽を聞いたと涙を流しながら抱きつかれたときは…。真夏の野外イベント。それはもう炎天下そのものだった。
 ご招待した方も協力してくれた手話通訳の方もボランティアの方もそして我々スタッフも異口同音に叫んだ。
 「もう夏の野外は止めようよ!」フルチューンだけは何事もないように平然としていたのだが…。
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★文部科学省採択!
 東京ジャズを終えて間もなく、文部科学省から研究採択通知が届いた。 この朗報をいの一番に分担研究者の
 [K教授]にご連絡差し上げた。実績のない我が社が、この提案公募の激しい競争に勝ち残ったのは奇跡に
 近いことだと思う。2年間のフィルチューン製品化への研究開発が約束された瞬間でもあり、我が社にとって
 大きなターニングポイントとなった。またこの年の暮れ、サンタクロースは我が社にもうひとつのプレゼントを
 くれた。
 フィルチューンが東京都ベンチャー技術大賞奨励賞を受賞したのだ。

★2005年夏、愛知万博に出展!
  [T爺]の地を這うような心強い力を持って、フィルチューンは「ナイジェル・ケネディ」(主催テレビ朝日)、
 「J-ASEAN POPs」(主催国際交流基金)「子どもたちフェスティバル」(主催社会福祉法人全国心身障害者
 福祉財団)、「ONE LOVE GOSPEL」(主催Go-NET Japan)などのライブに積極的に参加した。 一人でも
 多くの耳の聞こえの不自由な方々にフィルチューンを体験してもらうためだ。
 そして、2005年夏、愛知万博「愛・地球博」へのフィルチューン出展依頼が舞い込んできた。 「文化の心を
 育む、遊びの森〜P―Forest」主催愛知県遊技業共同組合での出展だった。 期間限定の出展ながら、
 10万人の動員で約2万人がフィルチューンを体験したのだ。
 製品化に向けて絶好の耐久テストになったのは言うまでもない。
      2005年夏、愛知万博に出展!


★2006年3月 文部科学省補助事業のライフサイエンス分野1位!
 2006年3月、文部科学省より去年3月に終了した「独創的革新技術開発研究提案公募制度」の事後評価
 報告書が我が社に届いた。我社が2年間研究終了した「ハイクオリティーの全く新しい骨導補聴器の開発」の
 総合評価であった。ライフサイエンス分野で1位、評価項目オールA,評点オール4の最高評価を受けた。



■会社の紹介
社名、及び由来 :フレェイ株式会社
           フレェイは「豊穣の神 フレイ(Frey)」に由来し、豊穣の神のごとく、万人に分け隔てなく、広く
           (豊穣の利)豊かな実りを分かち合うことを理念としており、そして、全ての人にエール(フレー)を!
本社        :〒101-0025 東京都千代田区神田佐久間町2丁目24番 千代田ブリスビル6階 
代表取締役社長:鈴川元昭
事業内容     :磁歪材技術を用いた各種部品及び周辺機器の企画・開発・製造・加工・並 びに販売等を行って
            おり、2006年7月「FILLTUNE(フィルチューン)」と して自社ブランドで発売し、市場展開。
ホームページ  : http://www.filltune.com/index.html



■製品の仕様
超磁歪ヘッドフォン
型式 超磁歪式
外形寸法 140W × 170H × 22D (mm)
重さ 約130 g (ケーブル含む)
カラー ブラック

専用アンプ
連続使用時間 約8 時間 (再生音量や音楽により増減します)
実用最大出力 2.8W×2.8W
周波数特性(ライン) 25Hz 〜 20kHz(+1/−3dB)
入力端子 ライン/マイク切替 × 1
(φ 3.5mm ステレオミニ ジャック)
電源 リチウムイオンポリマー充電池
外形寸法 50W × 103.5H × 14D (mm)
重さ 58 g
カラー ブラック
 (注)ラジオの仕様にもよりますが、アンプの仕様、特性との関係からAMラジオはノイズによって聴きにくい、
    或いは、聴取できないことがあります。

 (注)販売価格:オープン価格



■機器接続図

○オーディオに接続すると…
高音質な音楽が、頭に満ちてくる。
不思議なサウンド・リスニング!

○テレビに接続すると…
映画やトーク番組を楽しみながら、人との
おしゃべりも自由自在。
 ※テレビのイヤホン出力がモノラルの場合は
  片方しか音が出ない場合があります。
   市販の専用変換プラグをお使い下さい。 

○携帯電話に接続すると…

環境音に注意しながら、相手の声も聞き取れる。
  ※市販のハンズフリー製品をお使い下さい。

○マイクに接続すると…
 相手の声も、周囲の音も、しっかり聞こえる。
 ※市販のマイクはプラグインパワー対応の
   マイクをお使い下さい。
   






割引の取扱いについて ★
  メーカーより割引のご提供を受けています。希望される方は氏名、住所を書き添えこのメールにて
  お申し込み下さい。 折り返し詳細をお知らせします。




                                            <2008年6月26日>





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