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補聴器の普及に関する私案




                                                     平成17年4月8日

                                           リオネットセンター立川
                                                    齊藤 修




 日本と欧米、特に米国とでは補聴器の出荷台数では人口に対して約2倍米国の方が高いといわれている。
その主な要因としては、

1.両耳装用率が高い。
 米国70%~75%、日本10~20%(正確な統計はないが経験的な数値)と日本が低い。
 米国と日本の補聴器普及率(厳密には出荷台数)の大きな違いは、片耳のみに補聴器を装用するか、両耳に
 補聴器を装用するか、いわゆる両耳装用率が大きく異なることである。

 両耳装用率の日米で異なる要因として、
  ①消費者(難聴者)および消費者を取り巻くかたがたの両耳装用に対する意識の違い。
  ②両耳装用の費用負担に対する心理的抵抗感(耳鼻科医を含む)。
  ③両耳装用の有効性(実効効果)の不足。
  ④訴訟社会とわが国の和の社会に代表される文化の違い。
    米国の事例として、補聴器販売店が片耳装用とした例で、非装用耳側から交通事故遭った顧客が販売店を
    訴えた。両耳装用を勧めたなら事故は起きなかった可能性が高いとして。
    この事例以降販売店は必ず両耳装用を勧めることが必要になった。これは両耳装用を勧める大義名分にも
    なったことも事実である。
    一方わが国では、仮に米国のような事例が生じても訴訟にはなりにくく、和をもって(話し合って)解決する
    社会風土のようである。今後は、欧米並みの基準が生じるかもしれない。
  ⑤米国は日本に比べ、補聴器市場は過当競争状態である。よって販売の熱意が強い。

 これらの対処として、消費者を取り巻くかたがたも含め両耳装用の有効性の啓蒙活動、両耳購入時の価格政策、
 両耳装用に関する研究の強化を行う必要がある。


2.補聴器販売店の多寡
 補聴器の供給拠点(販売店等)が米国の方が圧倒的に多いといわれている。

 米国では補聴器の販売店(補聴器の供給拠点)は、わが国の5倍2.5万店(わが国では、補聴器を商っている店は、
 電話帳その他で調べると最大で5000店)といわれている。一説に米国では「マクドナルドのある町の規模であれば
 補聴器店がある。」といわれるように小さな町にも存在するともいわれ、数万人の人口があれば補聴器店が成り
 立っているようである。供給個所が多ければ普及率という観点で見れば高くなってくる。

 我国における補聴器の出荷数量は、平成6年には33万台強であったが、平成16年には465,261台であった。
 オムロン㈱のイヤメイト、ミミー電子㈱およびきこえ補聴器㈱等、有限責任中間法人日本補聴器工業会に未加入
 メーカーの生産数を推定であるが加えれば、平成16年の補聴器出荷台数は57万台~60万台と推定できる。


3.市場規模の比較
 米国の200万台出荷(2004年 2,146,095台)は、人口が日本の約2倍とすれば、日本の人口に換算すると100万台
 となる。

 両耳装用率を米国75%、日本15%とすれば、補聴器を装用している“人”の数としてみるならば以下のように
 推測される(但し米国の装用者を日本の人口比に換算した)。

 米国の2003年の補聴器購入者*
  =(2003年補聴器出荷×両耳装用率)÷22)+(2003年補聴器出荷×片耳装用率)
                  *1)流通在庫、予備の購入等は考慮していない。 
                  *2)両耳装用を“人数”にすれば1人である。

 ∴米国の2004年の補聴器購入者=(2004年補聴器出荷×0.75)÷2+(2004年補聴器出荷×0.25)
  =(100×0.75)÷2+(100×0.25)≒62.5万人

 故に米国では62.5万人の“人”が新たに補聴器を購入したか買い替えたことになる。


 同様に日本では、
 日本の昨年の補聴器購入者=(2004年補聴器出荷×0.15)÷2+(2004年補聴器出荷×0.85)
  =(46.5×0.15)÷2+(46.5×0.85)≒43万人



 以上のことから米国と日本の市場で補聴器を購入した実数の“人”の差は、62.5-43=19.5万人となる。


 以上の観点から見ると米国の補聴器の普及率(補聴器装用者)は、62.5÷43=1.45となり、日本の1.45倍である。


4.日本の補聴器の普及率を向上させるには
 日本の補聴器の普及率を向上させることが重要であるが、とりあえず、日本の補聴器市場を米国並にすることを
 考え、次に普及率の向上策について考えてみたい。

 米国の市場規模と日本のそれは、上記の1.と2.が大きな違いと思われる。特に日本の販売店の“質”が悪いことは
 ないと思われる。販売の質については、マクロ的に見れば日米差はないと思われる。
 しかし日米とも一部の販売店においては消費者をないがしろにした販売も行われている。その結果補聴器の
 悪評判にもなっていることも事実である(米国におけるノールズ社の調査等から米国でもそれなりに問題を
 抱えている)。


5.補聴器の潜在需要と顕在台数(補聴器は我が国で何台くらい稼動しているのだろうか。)
 一方米国並ではなく補聴器の潜在需要を顕在化させるための施策も考える必要がある。

 毎日新聞の記事(2005年3月2日付「自分に合った補聴器を」)によればメーカー、小売業界団体や消費者団体の
 代表者らでつくる「補聴器供給システムの在り方研究会」(代表、河野康徳・昭和女子大特任教授)が昨年発表した
 報告では、補聴器の潜在需要は人口の約15.4%といわれ、我が国では約1944万人としている。 *3)
                   *3)別の資料では人口の5%、600万人ともいわれている。

 現在、日本国中で補聴器は何台くらい稼動しているのだろうか。
 これについての統計資料は皆無と思われる。そこでかなり荒っぽいが以下のような仮定の基に推測してみた。

  仮定① 1年間に出荷された補聴器は43万台(過去5年間の平均値)jとする。
  仮定② 初年度出荷された補聴器の流通在庫を10%とする。
  仮定③ 全メーカーより出荷された補聴器は、次の比率で使用されているとした。
      初年度出荷80%(流通在庫を含む)、前年出荷80%、2年前出荷75%、3年前出荷50%、
      4年前出荷35%それ以前のものの合計15%とした。
 
  2×(43×0.8)+(43×0.75)+(43×0.5)+(43×0.35)+(43×0.15)=144(万台)

  144(万台)のうち両耳装用者を考慮すれば144-(144×0.15÷2)≒133万人となる。

 これを基にみると補聴器の顕在需要率は133/1965×100≒6.84(%)と推測でき、補聴器の顕在需要はきわめて
 低く、多くの識者の見るところと大差ないと思われた。


6.補聴器の普及活動
 このような状況から、補聴器の普及には、補聴器の有用性と共に、軽度難聴者の意識(聞えないことの不便さ、
 他人が迷惑をしていることへの理解、その他)を変えることが重要と思われる。

 意識は難聴者を取り巻く周囲の方々も含める必要がある。このことはライフデザイン研究所のレポートでも明ら
 かである。

 補聴器を購入する方々が補聴器を装用する動機に、「家族や知人から勧められて」及び 「自分自身から」が
 多くを占めている。また、耳鼻科医に難聴について相談した結果、「補聴器店を紹介された」ことによって補聴器の
 効能や補聴器店がどこに在るかを知ったケースも多くある。
 このようなことからも、難聴者及び難聴者を取り巻く周囲のかたがたも含め、補聴器についての有用性と補聴器
 店がどこに在るかを知らせることは重要である。

 多くの補聴器購入者は、当初どこで良い補聴器(自分の難聴に適した)を購入したらよいかを知っていることは
 少ない。眼鏡店は居住する町の周辺にかなり存在しているが、補聴器専門店は少ないのが現状である。たまたま
 眼鏡店で補聴器を見かけ購入する顧客もかなり存在する。

 通販で購入する方々の購入動機を調べたことはないが、価格も安くしかも購入する方法も明確なことも一因と
 思える。

 一方、補聴器を装用しない要因として、
  ①補聴器は雑音ばかりで肝心な音声が聞えない。

  ②補聴器は眼鏡のように装用したら直ちに良く聞えることが体感できない。リハビリテーションが必要である。
   (眼鏡は、焦点異常を矯正することはできても、白内障、緑内障、網膜や視神経の異常には使えない。
   補聴器は、網膜に相当する蝸牛の障害に対処することが多い。
   焦点異常は、聴覚では、伝音難聴に相当し、この難聴には大きな効果があることは承知のとおりである。)

  ③障害者や老人に見られ嫌である(難聴者の中には、自分は耳が聞え難いことを積極的に他人に理解して
   もらい話し方に配慮を願う方々も多くいることも事実である)。

 以上のような背景から、補聴器の普及には、
  ①補聴器の有用性をPRする(これは従来行なわれている)
   重要なのはメーカーの技術者を含め補聴器の供給に携わる人々の、顧客重視の“心”の教育である。“心”は
   教育ではなかなか培われないが努力は必要である。“心”を培うことで、顧客と相対する補聴器店員を介して
   少しでも補聴器は有効な器機であることを理解していただくことが重要である。
   補聴器そのものの性能のほかに、補聴器は供給者主導の商品であることから「口先だけで売りつけられた」
   印象も補聴器の悪印象にもなっていることも少なからずある。

  ②補聴器店の存在をPRする(これは従来行なわれている)。

  ③補聴器の価格帯を広げ、低価格商品の販売に力を入れる。通販の“補聴器”あるいは“集音器”は気軽に
   購入できるが、補聴器の価格では購入に尻込みをする。

  ④補聴器店を増やす。
   流通経路の新たな開拓が必要になる。既存のルートではある程度限界も見えている。
   他には小さな町でも(当面人口5万人あるいは数万人程度の都市)補聴器店を増やす。そのためには少ない
   販売台数でも経営が成り立つことも重要であり、この面からも米国並みのオーダーメイド補聴器の販売促進、
   デジタル補聴器を含めた高付加価値製品を扱うことも必要になる。
   これは補聴器の価格帯を広げること、新ルートとの関係も含め諸刃の剣ともなる。

  ⑤両耳装用率を高める。
   両耳装用の有効性を補聴器店に教育し、口先だけの有用性ではなく、顧客に十分理解させることができる
   知識とフィッティングの技能を修得させる。予備の補聴器を勧めるより両耳装用を勧める。

  ⑥補聴器店の一覧表をカタログと共に配布する等補聴器店の存在を知らせる工夫が必要である。

  ⑦より質の高い補聴器及び難聴等に対する知識及び補聴器のフィッティング技能を教育する。

  ⑧デジタル技術を駆使し、コストパフォーマンスの高い補聴器の供給による「補聴器は役に立つ」
   ことをPRしていく。

  ⑨通販、助聴器あるいは集音器の類は、補聴器を装用するきっかけを与える効果が大きい。
   これらの出現で補聴器の出荷台数が落ちているとは私には思えない。通販の補聴器も販売が増加しているが
   補聴器の出荷も増加傾向にある。

  ⑩補聴器の有用性について補聴器を装用されている方々の側からも強く訴えていただく。
   補聴器愛用会のホームページはまさに正鵠を射っていると思います。

  ⑪補聴器供給者側(メーカー及び販売店)は、難聴のかたがたに誤解を与えるような、文言や宣伝を控え供給者
   側と使用者側双方のモニタリング(監視)も必要かもしれない。



 以上の項目を有限責任中間法人 日本補聴器工業会、有限責任中間法人 日本補聴器販売店協会及び
補聴器愛用会をはじめ多くの難聴者の会と共同で行動することで効果が倍加し、いろいろな広告物が潜在需要者へ
反復的に伝わり普及効果があると思える。

以上補聴器の普及について考えてみたが結果として今までいわれたことの域を出なかった。


 <参考資料>
   米国の補聴器出荷台数は、THE HEARING REVIEW  MARCH 2005 P18 Reasons for Optimism:
   A Look at the 2004-2005 Hearing Instrument Market"による。




    

補聴器の実稼動台数予測
(補足資料)



 補聴器の出荷台数及び空気電池の出荷個数はそれぞれの工業会から示された数値です。
この数値を基にわが国における補聴器の実稼動台数を予測いたしました。

我が国における補聴器の稼動台数は約144万台、通販は約35万台、合計約180万台と推定できます。

補聴器用の空気電池は年間41,827千個(41.5×10)出荷され46,000千個が消費されていると推測できます。


以下算出根拠について示します。

過去11年間の補聴器出荷台数は表に示すとおりです。この数値は有限責任中間法人日本補聴器工業会に
加盟しているメーカーより報告されたものであり、非加盟のメーカーは含まれていません。
1994年 1995年 1996年 1997年 1998年 1999年 2000年 2001年 2002年 2003年 2004年
台数 333,812 391,682 407,919 412,626 403,183 400,659 413,736 412,094 428,211 447,757 465,261
                         有限責任中間法人 日本補聴器工業会 ホームページより引用


 通信販売による補聴器及び集音器(以下通販と略す)等の出荷統計はないので不明です。
いずれにしてもそれらの補聴器が、稼動していると思われる台数を予測した統計的データーは皆無と思われます。

そこでかなり荒っぽい予測であるが以下のような仮定の基に予測を試みました。
 仮定① 毎年の出荷台数を43万台とする(過去6年間の平均)。

 仮定② 通販の年間出荷台数を15万台とした。通販は過去4年間を対象にした。
      通販の年間出荷台数を15万台と仮定したのは、新聞等への広告掲載頻度、販売価格等を考慮した。
      15万台は控えめと思える。これらの商品の販売方法やアフターフォローの状況から稼働率は予測より
      低いかもしれない。   
      「補聴器供給システムの在り方に関する研究」3年次報告書「適正な補聴器普及のための供給システム
      に関する調査研究」のP34には通販の数量を「2003年の販売実績を輸入通関統計及び薬事生産動態
      統計等」から推定し15~20万台としている。

 仮定③ 補聴器は、初年度出荷したものの10%は流通在庫とした(今後、オーダーメイド補聴器が増加すると
      流通在庫は減少する)。

 仮定④ 補聴器は1日平均7時間使用。通販は1日平均2時間使用と仮定した。

 仮定⑤ 補聴器全体からそれぞれの補聴器の占有率は、ポケット形補聴器10%、耳かけ形補聴器40%、耳あな形
      補聴器(オーダーメイド補聴器を含む)50%とした。

 仮定⑥ 通販は、空気電池使用の補聴器は、全体の70%、乾電池使用は30%とした。

 仮定⑦ 出荷された補聴器は次の比率で使用されているとした。
      初年及び2年前は流通在庫、予備として購入した補聴器等を考え出荷された補聴器の80%が稼動して
      いると仮定した。オーダーメイド補聴器の普及から80%の稼動率は90%くらいが妥当かもしれない。
      初年 80%、2年前 80%、3年前 75%、4年前 50%、5年前 35%、6年以前のものの合計15%とする。
      通販は、初年90%、2年前 70%、3年前 40%、4年前 20%とした。
      通販の稼働率は補聴器と比べ高いと思えるがこのように仮定した。


1)現在使用されていると仮定できる補聴器の台数は、
    N=2 (43×0.8)+( 43×0.75)+(43×0.5)+(43×0.35)+(43×0.15)≒144(万台)
  但し通販台数Nは、
    N= (15×0.9)+(15×0.7)+ (15×0.5) +(15×0.2)≒35(万台)
  通販を加えると 144+35=179≒180(万台)

2)1年間に補聴器及び通販が動作している延べ時間ΣHrsは、
  補聴器は、1日平均7時間動作していると仮定すれば、
    ΣHrs=144×10×7×3653,679×10(hrs)
  通販の1年間に補聴器が動作している延べ時間ΣHrs2は、
  通販は1日平均2時間動作していると仮定すれば、

      ΣHrs35×10×2×365≒256×10(hrs)

3)ΣHrsをそれぞれの補聴器形状の比率でみると、
   補聴器は、
    ポケット形補聴器(乾電池)=3,679×10×0.1=367.9×10≒370×10(hrs)
    耳かけ形補聴器(空気電池)=3,679×10×0.4=1,471.6×10≒1,470×10(hrs)
    耳あな形補聴器(空気電池)=3,679×10×0.5=1,839.5×10≒1,840×10(hrs)
    耳かけ形及び耳あな形補聴器(空気電池)=(1,470+1,840)=3,310×10(hrs)
   通販は、
    ポケット形(乾電池)=256×10×0.3=76.8×10≒77×10(hrs)
    耳かけ形及び耳あな形(空気電池)=256×10×0.7=179.2×10≒180×10(hrs)

4)電池の形状でみると、
   乾電池の総稼働時間=(370+77) ×10 =447×10(hrs)
   空気電池の総稼働時間=(3,310+180) ×10 =3,490×10(hrs)

5)乾電池と空気電池の年間消費数量予測
   補聴器は、
    1個は、1日7時間使用で14日間使用できると仮定する。
    1個の電池が使用できる時間 7×14=98≒100(hrs)
   通販は、
    電池1個は、1日2時間使用で7日間使用できると仮定する。
    1個の電池が使用できる時間 2×7=14(hrs)

6)それぞれの電池の必要数は、
   補聴器は、
    乾電池=370×10÷100=3.7×10(個)
    空気電池=3,310×10÷100=33.1 ×10(個)
   通販は、
    乾電池=77×10÷14=5.5×10(個)
    空気電池=180×10÷14=12.9×10(個)

7)それぞれの電池の必要数は、
  乾電池=(3.7+5.5)×10≒9.2×10(個)
  空気電池=(33.1+12.9)×10≒46×10(個) 

8)社団法人電池工業会の資料より、補聴器用として2004年の空気電池の国内向け出荷数量(32,237千個)と輸入
  数量(財務省、貿易統計によれば9,590千個)を加えた空気電池の総量は、
   (32,237+9,590) ×103=41.827×10≒41.8×10(個)である。

  この数値と7)の46×10(個)を比較すると10%の誤差を生じ電池出荷のほうが少ない。
  多くの仮定の精度等を考慮すれば上記の推測はかなり使えそうに思える。

  誤差率=補聴器に使われる電池の総量÷電池の出荷総量46000/41827×100=110.0(%)
  誤差率は10(%)である。

  乾電池は、補聴器に使われる数量は極わずかなため乾電池の出荷数量から推定することは全く不可と思える
  ので省いた。

9)結論 
  我が国における補聴器の稼動台数は約144万台、通販は約35万台、合計約180万台と推測できます。
  補聴器用の空気電池は年間41,827千個41.5×10出荷され46,000千個が消費されていると推測できます。

10)上記のように補聴器の稼動予測台数を算出するのに多くの仮定をした。今後、これらの仮定の一つずつ
  精度を上げていけば補聴器の実稼動台数と難聴者人口に対する普及率を求めることが可能ではないかと
  愚考しています。




 仮定が多く1つの数値を少し変化させると予測値は大幅に変わってしまいます。
しかし、補聴器の出荷台数及び空気電池の出荷個数は正確なので、これらの数値を中心にご批判を
覚悟の上で予測いたしました。多くの仮定を各方面の方々のご意見、ご知見をお聞きし少しでも
精度を上げたいと存じます。



                                  <2005年4月20日>


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