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お薦めしません、「みみ太郎」 vs. お薦めします、「みみ太郎」









 世に“万能の補聴器”はなく、どんな補聴機器にも長所と短所、種々の音質、聞かせ方があります。難聴者の
難聴の種類、症状、その度合いにより万人の聞こえは異なります。そして聞こえ具合を数値や言葉で表し、
他人に伝えるには限界があります。

この条件の中で、自分に相応しい補聴機器を探し出すのは“宝くじ的作業”といえ、理想的には、全メーカーの
全機種を一定期間使用し、納得の上で選ぶ事でしょうが、非現実的です。

このような状況に於いて、「調整不要、全難聴対応(脳の聴覚中枢障害による難聴を除く)、トランジスタラジオ
よりも容易な操作、安価な価格」、且つ「聞かせる音は自然、脳に染み透るような響き、正しい音空間の把握、
盗聴器並の明瞭さ、集音範囲360度」等々と「みみ太郎」の使い勝手と“超能力”は魅力です。(「みみ太郎」、
補聴器、集音器の性能比較
参照)

「みみ太郎」は補聴機器の新たな分野を拓く一品と考えられ、他の補聴機器で上手く行かない場合でも、この
“第三の補聴器”とも言える「みみ太郎」では異なる結果が得られる可能性が十分にあります。   

が、しかし、「みみ太郎」といえども万能ではありません。弱点、不具合点、欠点もあります。「みみ太郎」を紹介後、
『補聴器愛用会』に寄せられた問合せやコメントを基に悪い点、良い点をまとめるとつぎのようになります。




                  「みみ太郎」をお薦めしません

□こんな方
 ・動き始める頃から聞分けの出来る頃迄の幼児、小児
 ・活動的な生活をする人
 ・動きを伴う仕事をする人

□こんな時、こんな場面
 ・動きを伴う生活場面
 ・営業や店内での接客関連の仕事
 ・作業的な仕事
 ・スポーツ
 ・コードレス電話の子機と携帯電話では電波が発生し、雑音が入り、聞き辛くなり、使用には向きません。
   (通常の据え置き型電話は問題なし)
 ・次のような不具合、使い勝手の悪さがあります。
  -本体を持ち運ぶ必要があり、携帯性が乏しい。
  -ポケットに入れ使用する際は本体と衣服が擦れあう耳障りな雑音がし、机の上等に強く置くと衝撃音が
   します。(マイクを本体内に持つポケット型補聴機器に共通する問題)
  -イヤホンコードによる煩わしさがあります。
  -電化製品等電波を発する物の近くやイヤホンを本体に近づけた場合等は、ピーと音がします。



                 「みみ太郎」をお薦めします

□こんな方
 ・新生児〜動き始めるまでの乳幼児
 ・家庭内や静かな所であまり動きを伴わない時間を過ごす方
 ・高齢者の方
 ・補聴器を使った事がない方(後日、補聴器を使用する際にも受入れやすい。)
 ・補聴器に違和感、嫌悪感を持つ人
 ・補聴器の聞こえに馴染めない人
 ・補聴器販売店を敬遠する人
 ・補聴器装用者で補聴器とは別に用途、目的に応じ「使い分け」する人

□こんな時、こんな場面<
 ・在宅時のくつろぎ時や一家団欒
 ・良い音での音楽鑑賞    (補聴器とは違ったリアルで上質の音が楽しめる)
 ・TV,ラジオを楽しむ   (音声が明瞭に聞こえる)
 ・仕事での会議       (声が良く聞こえる)
 ・講演、観劇        (声が良く聞こえる)
 ・外国語学習のヒアリング  (子音など歯切れ良くはっきり聞こえる)





今までに当会に寄せられた質問とそれに対する答えをまとめてみると以下の通りです。

■「みみ太郎」の仕組み、特徴
 「補聴器愛用者への路」の「期待して良い補聴器」をご覧下さい。


■使用出来る難聴のタイプ
 伝音性、感音性、混合性、老人性難聴の方々からも評価の声が届いています。但し、他の補聴機器同様、当然、
 人により合わない場合が考えられます。試聴し、自分の耳で確かめて下さい。


■対応する難聴の度合い
 軽度〜高度難聴の方にも対応します。(音響出力0〜125デシベル)


■使用に対する抵抗感<
 補聴器を装用する場合は、器具そのものに対する負のイメージ及び販売店での相談、選択、調整等に抵抗を
 示す方々も、「みみ太郎」には抵抗感を余り覚えず、受入れられやすいようです。「みみ太郎」の“風貌”は昔風に
 言えば「トランジスタラジオ」、現代風に言えば「ウォークマン」で、特に年配者の方々の使い始めの抵抗感を
 和らげるのに効果が感じとれます。


■使い始めの要領
 電源オフ(レベル0)より、電源を入れ、静かに音量を上げていき、聞こえ始める音量レベルで「みみ太郎」に慣れ、
 耳が「みみ太郎」の音に慣れるまで聞くようにしましょう。

 耳で聞こえを感じ始め、その後脳(聴覚中枢)が機能し、聞こえた音を理解出来るようになる迄には時間が
 掛かります。個人差が大きいようで、人によっては瞬時〜数時間、或いは数日と様々ですが、焦らず、のんびり
 構えて「みみ太郎」とお付き合い下さい。
 そして、音に慣れ、良く聞こえるようになればお好みの音量で楽しんで下さい。


■調整
 使用に対する抵抗感を軽減する要因の一つとして、器械的な調整がない事が挙げられます。強いて調整と言えば、
 左右の聞こえのバランスをとる必要のある場合は、使い初めに一度セットするのみ(ネジで簡単に調節)で、これが
 唯一の器械的な調整と言えます。後は、使用時の音量調整のみで、どなたでも簡単に使えます。


■電話での会話
 コードレス電話の子機と携帯電話で発生する電波の為に「みみ太郎」に雑音が入り、使用には向きませんが、
 通常の据え置き型電話での使い方は次の通りです。

 「みみ太郎」本体の正面側の左右に人工耳介(マイク)が内蔵されており、それを自分の耳と考え、その部分に
 受話器(耳に当てる側)を当てると電話の声が聞こえます。

 この際、通常会話などで使用しているボリュームより少し大きくする方が聞き取りやすい場合があり、一度試して
 みて効果があれば、それを電話での会話のボリュームとしてお使い下さい。自分が話す時は、受話器が口元から
 離れる事になり、少し大きめの声で話して下さい。
 又、両耳が難聴の場合は、受話器を「みみ太郎」の右側と左側の人口耳介部分に当てて試し、聞きやすい側で
 使って下さい。


■雑音
 「みみ太郎」を含めポケット型の補聴機器類(本体にマイクを内蔵するもの)の問題点は、ポケットに入れた時の
 耳障りな衣類との摩擦音やテーブル等の上に置いた時の衝撃音があります。使用時は、付属の携帯ケースに
 入れ(衝撃を吸収する役目)、そして布地の上に置くようにして下さい。

 又、イヤホンを本体に近づけた時や本体を電化製品(蛍光灯やモーターのある製品)等に近づけると発生する
 電波でピーと音がする時は、離すようにして下さい。


■テレビやラジオの声が聞こえにくい場合
 離れて置いてあるテレビの音声は聞きづらい面があります。この場合は、出来るだけ「みみ太郎」本体をテレビや
 ラジオに近づけて置いて下さい。そうすればより良く聞こえるようになります。

 又、一つの方法として、本体とイヤホンの間を長くする延長コードが市販されており、これを利用し、「みみ太郎」を
 音源の近くに置けば、この問題は大幅に改善されるか解決されます。


■イヤホンについて
 付属のイヤホンは、市販されている製品で、他のイヤホンを試される場合は同型式の物なら使用できますが、
 「みみ太郎」と最も相性の良い製品が選ばれており、メーカーのお薦めとしては、基本的には付属のイヤホンで
 お使い下さい。


■電池について
 内蔵されている電池は、電池メーカー表示・回数で500回充電可能(計算値)なものが使用されています。
 通常7〜10日に一度の充電が推奨されており、耐用年数は凡そ10年程となります。(電池を使い切ってから
 充電して下さい。)尚、耐用年数後の電池の交換はメーカーで取扱いを行っています。


■修理、保証について
 メーカーによる2年間の保証が付いています。そして、使用中の不具合や修理は、メーカーにて取り扱いを
 行っています。


■その他
☆「ご両親の為に」とご家族の方からの問合せ、申込みを受けるケースが多く、全般的には使用に際しての
 抵抗感が少なく、操作が簡単で、使用すれば素直な聞こえに満足される方が多く見受けられます。

☆返品の取扱いを始めた後に実際に返品されたケースは6件ありました。
 ・「使ってみると声や音が大きく聞こえ、未だそれ程耳が悪くない為」という年配者。
 ・お母さんは何とかして使わせようと努力されたが、「いやぁ!」と拒絶する3歳児。
 ・唯、「合わない」とおっしゃる中年男性。
 ・お子様が母親にプレゼントするも、既に本人が補聴器を購入した後。
 ・「合わない為」(聴力90〜100dB/鼓膜に破れあり)
 ・「使用中の補聴器と変わらず、携帯性に劣る」と男性サラリーマン



☆「みみ太郎」使用後の感想をお寄せ下さる方々もあり、二つばかりご紹介しましょう。
 (ご本人の了解を得、原文のままで)

★介護センターの方が訪問介護中の高齢者の方の為に「みみ太郎」を申込み
<装着直後のご様子>
 静かな部屋で使ってみると、すぐ聞こえるようになりました。音量5〜6で「よう聞こえます」とのことで、ご家族も
 うれしそうにされていました。台所では、冷蔵庫やテレビなどの音で聞き取りにくいようでした。

 こんなにすぐ聞こえて話ができるとは(時間がかかるかもと考えていたので)、みんなびっくりです。スタッフも
 みんな試させてもらったのですが、とても自然な音で、左右の聞き分けもできるし、感心いたしました。

 この度は良いものを教えていただき、本当にありがとうございました。

<その1ヶ月後のご様子>
 ご家族の方は、「以前は大きな声で説明しても通じず困っていたが、みみ太郎が使える状態の時は話しが出来、
 助かっている。また、近所の人が会いに来てくれても、以前は難聴のため話が出来ず、気まずく、もう来てもらえ
 なくなるのではとも心配したが、みみ太郎が使えれば話が出来ているようで、近所からの孤立も防げてよかった」
 と話されていました。

 先週、お宅へ介護センターのスタッフが訪問した際はご機嫌もよく、みみ太郎をよくお使いになっているとの報告が
 ありました。冷蔵庫やテレビのある台所では、ピーピー音がしたり、雑音が入るそうですが、お部屋は静かなので、
 音量に注意していればよく聞こえているそうです。

 訪問したスタッフとの会話中に、カバンの中の携帯電話が鳴ったそうなのですが、ご本人が一番に気づかれて
 「なんか音がしとりますよ」とおっしゃったそうです。ご家族もスタッフも「よく聞こえてるね」と確認ができてにっこり、
 安心したそうです。

            <この方、御歳、103歳です!!


★お母さんの為に購入された息子さんから
 みみ太郎が届きました。素早い対応、ありがとうございました。さっそく私が試聴してみました。はっきり聞こえる
 のに驚きました。しばらくつけてから、はずしてみると、つけている時の方が自然に感じました。私も難聴気味に
 なりかけているのかもしれませんね。
 例えて言うと、視力が落ちて来た時にめがねをかけるとすっきり見えるのに驚きますが、それと似ている感覚
 でした。

 母にはあさって届に行く予定です。早く試させてあげたいです。過剰な期待はしないで、ゆっくり気長に使うように
 薦めたいと思います。

<その二日後のお便り>
 今日、母にみみ太郎を届けてきました。さっそく試してみたのですが、すぐに聞こえました。補聴器を右耳にして
 いた為か、左耳が聞こえるようになるまでには少し時間がかかったようです。だんだん、立体感のある音を感じて
 いるようでした。

 数時間もすると、つけているのを忘れるほどなじんだそうです。試しにはずしてみると、「やはりほとんど聞こえ
 ない」、と何度も確認していました。何より、従来の補聴器のノイズがまったくなくて疲れないのが一番嬉しい
 そうです。

 テレビもはっきり聞こえて喜んでいました。これまでは、ドラマも画面を見るだけであまり意味がわからなかった
 そうです。自分の声もはっきり聞こえるのも喜んでいました。

 私も、母と10数年ぶりに普通の会話を楽しんできました。いきいきした母の表情が目に焼きついています。
 孫たちもこれで普通の会話ができると喜んでいました。

 本当にありがとうございました。感謝します。これからもよろしくお願いいたします。

<その33日後のお便り>
 その後ですが、1日に何度もみみ太郎をつけています。会話をする時は不可欠と言ってもよいでしょう。先日も
 家族がそろって会話をしましたが、普通の人と同じように受け答えをしていました。

 今では、普通に話をするのが当たり前になっているようです。 おもしろいことは、補聴器なしでもテレビが聞き
 取れるようになってきたことです。もちろん音量は高いですが、以前はそれでも聞こえなかったので、自分でも
 驚いていました。

                                                 <2003年8月30日>



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