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いのちの重さ: 
第4巻







発行日:平成17年12月

第301首−400首



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301−310   311-320  321-330   331-340  341-350

351-360  361-370   371-380  381-390   391-400
 

371400は旅シリーズの国内(中国地方・九州)編です





301

足萎えて よろめき(タズ)ぬ ダリア園

花の畝間(ウネマ)に 吾身埋めたり

 

 

2003年秋

近所の公園へ

302

車椅子 最後に行きしは 薬師池

家族揃いて 蓮の花見に

 

 

2004年夏

町田市の公園へ

 

303

美味しさが 分からぬ吾は (タダ)食べる

腹は空かねど 機械のように

 

 

 

304

先のこと 判らぬことが 心配だ

色々考え 悩みに悩む

 

 

 

305

少しでも 多く眠ってと願うけど

(ソバ)(イビキ)で 吾も眠れず

 

 

夫のイビキがうるさい

306

朝が来た どう過ごさばや 今日もまた 

(カラダ)重たく 思い悩めり

 

 

 

 

307

夜が来た 深き眠りが嬉しけれ 

二階に上がる 足取り軽く

 

 

夜は寝慣れた

2階の寝室へ

308

コスモスを 手折りて眺む 美しや 

娘の気持ち 表れにけり

 

 

 

309

カラス瓜 夫が採りて 吾に見す 

今年も変わらぬ 秋の風情よ

 

 

 

310

カラス瓜 あっと云う間に色付きぬ 

吾が部屋飾る その見事さよ

 

 

緑のうり坊もすぐに赤くなる





311

朝起きて 今日の計画みな済ませ 

退屈だけが 耐え難きかな

 

 

 

32

セリフある グッドバイマイの本の中

その子の勇気 吾も欲しけれ

 

 

 

 

33

(アイ)が咲く 白い花房 素朴だな 

若葉の形の(タタキ)(ゾメ) 良し

 

 

藍染の藍の草

 

34

病めれども 女であること忘られぬ 

風呂やトイレの介助恥ずかし

 

 

 

35

真夜中に 寒さで目覚め 布団足す

夫を気遣い 静かに運ぶ

 

 

 

36

吾よりも 大きな力 ありてこそ

            一日生きる 勇気を出して

 

 

 

37

平凡な 日々は望めぬ 吾淋し 

障害持ちて 日々を生き抜く

 

 

 

38

排泄と 食事だけで 日が過ぎる 

辛きことのみ 多かりにけり

 

 

39

天に(スガ)り 大きな力信じつつ 

日々を重ねる 吾身なりけり  

    

 

 

30

夜アンマ 夫は足揉む 眠りつつ 

毎日御苦労 感謝してるよ

 

 


321

前向いて 後ろは見ずに 生きようよ

何より大切 己の()(ザマ)

 

 

 

322

方丈(ホウジョウ)の 北の小部屋が 吾宇宙

何でも揃い住み易きかな

 

 

日の光が体にさわり

暗い部屋に住む

 

323

目覚めれば 色んな音が聞こえ来る

鳥のおしゃべり 人の足音

 

 

 

324

ママと呼ぶ それに相応(フサワ)し事出来ぬ

何かしたいよ 出来ることなら

 

 

 

325

ラフランス 異国の香り漂わせ

口に含めば とろける甘み

 

 

洋梨のラフランス

326

早朝(アサ)目覚む もっと寝たいよ眠りたい 

いやなことなど みんな忘れて

 

 

 

327

鐘が鳴る 正確に打つ 三つ打つ 

坊主の動きも 電波時計で

 

 

近所の寺の鐘

秒読みして待つ

328

早朝に ひとりで出かける 吾娘 

何もしてやれぬ 悲しきことよ

 

 

 

329

思わずに 身体縮ませ風よける 

北風強い 冬の日陰で

 

 

 

330

心では 強く生きようと思えども 

朝の決意も夜には萎えけり

 

 

 

 

 




331

香りよし 友より届きし 新米の

炊きたてほおばり 労苦を偲ぶ

 

福岡の旧友より頂く

332

PT若者(ヒト) 指導明確 リード良し

手足の動き よくなり嬉し

 

 

リハビリの

理学療法(PT)士

 

333

ヘルパーさん 沢山いるが みな元気

介護丁寧(テイネイ) 言葉親切

 

 

月・水・金の昼間

6人のメンバーに

334

検疫で マンゴウ 取られし 吾娘

(ワレ)への土産に (シノ)ばせたるや

 

 

バンコク在住の長女

335

菜園で 立派に育った さつまいも

            (モラ)いて料理 あれこれ思案

 

 

夫のイビキがうるさい

336

ママと呼ぶ 娘が居ること 吾は知り 

生きる責任 ひしと感じる

 

 

 

 

337

野山から 採り来た草木の 実を挿して 

リースに飾りて リッチな気分

 

 

 

338

束ねたる 真っ赤なタカノツメ 部屋飾る 

目を楽しませ 魔除(マヨ)けにもなる

 

 

 

339

菊の花 片手に見舞い() 友があり 

花火のような 花弁珍し

 

 

教師仲間の旧友より

340

飲み難し 水分補給 苦になりぬ 

日に一リットル 飲むは苦しき

 

 





 

341

秋の虫の 涼しき音色 待つ夕べ

コロコロ リンリン チンチロリン

 

 

 

342

種を蒔き プランターで育った 綿の実よ

ぱっと開いて 白くふんわり

 

 

 

343

ぱっちりと 四つに割れた 綿の実の

真白き綿毛 (コボ)れんばかり

 

 

 

344

秋の風 野山の草木 揺らしつつ

日一日と 赤く染めゆく

 

 

 

345

しとしとと 降ったり止んだり 晩秋(アキ)の雨

木の葉を濡らし 紅葉を待つ

 

 

 

346

秋深し 一雨毎に寒くなる 

冬の仕度を もう急がねば

 

 

 

 

347

晩秋の 紅葉輝く日も僅か 

残りし柿の実 冬もすぐそこ

 

 

 

348

秋深し 稲穂も今は藁束(ワラタバ)に 

切り株残りし 田の()寂しや

 

 

 

349

木枯らしに 野山の草木も冬仕度 

今年も変わらぬ 秋の風情よ

 

 

 

350

咳がでる (タン)が無いのに(ノド)詰まる 

息吐く力 弱くなりけり

 

 

 










351

息苦し 喉につかえて 何も出ず

長引き苦し つらき真夜中

 

 

 

352

末端の 手足冷えきり 血の気なし

体温調節 更に難し

 

 

 

353

長生きす ふと語る友 気が滅入(メイ)

もうこれ以上 生きたくはなし

 

 

 

354

宿命と あきらめけるも 尚悔し

夫の単身 何だったのかと

 

 

病に倒れる前の5年間 夫は単身赴任

355

喉痛み 飲み込み悪く 困ったな

食べ物つかえ よく()せ返る

 

 

 

356

寝ていると お尻が痛む 耐え難し 

寝姿変えて 痛みこらえる

 

 

 

 

357

咳きが出る 唾液が溜まる 喉詰まる 

苦しさ増して 耐え難きかな

 

 

最近特に問題化

358

刺し子さし 細かい柄は 難しや 

一日一尺 毎日励む

 

 

 

359

印付き 刺し子の布を贈られて 

一針一針 大切に刺す

 

 

 

360

刺し子生地 柄目を付けて 贈り来る 

義母(ハハ)に感謝し 心込め刺す

 

 

 

 







361

刺し子糸 試行錯誤の 色選び

柄に合わせる 調和楽しむ

 

 

 

362

紫の色鮮やかな あけびの実

食すに()しく 絵のモチーフに

 

 

 

 

363

リハビリに 絵描きを始む 楽しけれ

野山の花や 飾り物など

 

 

最近始めた

364

カラーペンで 静物画描く 又楽し

夫が採り来る 野山の花を

 

 

 

365

絵を描く 毎日一作 慣れぬ手で

出来映え褒められ 我再発見

 

 

 

366

画材にと リンゴを貰い 描きたる 

感謝をしつつ 吾筆をとる

 

 

 

 

367

ヘルパーさん 画材を持って やって来る 

どう描こうか 思案楽しや

 

 

 

368

リハビリに 始めた寸画 面白や 

恥ずかしながら 挿絵(サシエ)に用ふ

 

 

 

369

刺し子する 布にたれ落つ (ヨダレ)かな 

口元()いて 懸命に刺す

 

 

 

370

糸乱れ 作りし刺し子 義母(ハハ)仕上ぐ 

桐箱(キリバコ)に入れ 皆に披露(ヒロウ)

 

 







371400は旅シリーズの国内(中国地方・九州)編です

 

 

371

(イツク)(シマ) 平家の至宝 納まりぬ

潮の満干に (ヤシロ)洗われ

 

 

 

372

途中下車 原爆資料館 訪ねたり

ドーム仰ぎて 平和を祈る

 

 

 

 

373

尾道の 細き坂道 登りつめ

林フミコの 文学碑見る

 

 

 

374

旧友と 文学散歩 岩国に

錦帯橋の 歴史偲んで

 

 

 

375

肌色の 萩焼美し 広き皿

使いて更に ピンク鮮やか

 

 

 

376

小雪舞う 小石原(コイシワラ)焼 訪ねたり 

縄目文様の 素朴さがよし

 

 

 

 

377

上野(アガノ)焼き 深き(ミドリ)のコーヒーカップ

            その場で気に入り 今も宝よ

 

 

378

蓮の花 赤い鳥居の宇佐神宮 

深い木立に (ヤシロ)()えけり

 

 

 

379

葡萄買い 安心院(アジム)の里へ 足運ぶ

なつかしき村 稲穂(イナホ)たわわに

 

 

 

380

楽しみだ 安心院(アジム)サファリへ 子供らと 

初めて見たり 自然動物園

 

 

 

 




381

軒を並べ 人込み多し ()布院(フイン)

昔は長閑(ノドカ) 山間(ヤマアイ)の街

 

 

 

382

古き寺 磨崖(マガイ)彿(ブツ)多し 国東(クニサキ)

信仰厚き いにしえ偲ぶ

 

 

 

383

(アイ)に柿 絵付け(スガ)しき 有田焼

白地の素肌 きりっと引立つ

 

 

 

384

速き潮 渦巻く水面(ミナモ) 西海橋

舟から眺む スリル求めて

 

 

 

385

荒々し 噴火直後の ()(ゲン)(ダケ)

いつよみがえる 緑の裾野

 

 

 

386

長崎の ハウステンボス 娘と訪ぬ 

運河に街並 西欧の風情

 

 

 

 

387

恐ろしい 原爆伝えし 記念館 

平和誓いて 長崎の鐘

 

 

 

388

長崎の シッポク料理 父と囲む

            少し甘いが 中華に似たり

 

 

 

389

大観(ダイカン)(ボウ) 見渡すかぎり 外輪山(ガイリンザン) 

座りて見ゆる 青き峰々

 

 

 

390

大阿蘇の 煙たなびく 夕景色 

眼下に広がる 緑の草原

 

 

 

 

 








391

覗き見れば エメラルドの水 (タタ)えたる

神秘なるかな 阿蘇の火口湖

 

 

 

392

ゆったりと 牛馬が遊ぶ 草千里

緑一面 御伽(オトギ)の世界

 

 

 

393

阿蘇の朝 夜露に濡れて 散歩する

夫と二人 心も弾む

 

 

 

394

一面に ラベンダー咲き 香りよし

秋風爽やか 阿蘇の高原

 

 

 

395

足欠いた 椅子のモニュメント 玄関に 

ジュネーブにある国連前にて

 

 

この分はスイス紀行の

残り

 

396

南国の 田畑ついばむ ナベ鶴よ 

毎冬群れ来る 出水(イズミ)の里よ

 

 

ナベ鶴の越冬地

397

桜咲き 若き命の散り去りぬ 

今も問いかく 知覧(チラン)の悲劇

 

 

特攻隊墓地

398

(スナ)()浴び (イブ)宿(スキ)楽し 熱きかな 

潮の香()いで 気分爽快

 

 

 

399

憧れの 縄文(ジョウモン)(スギ)見て 夢心地

            木の精住みし 太古の世界

 

 

400

屋久島の 飛魚料理 懐かしや 

青き海原(ウナバラ) 群れなし 飛びぬ

 

 

 







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