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いのちの重さ

第一巻





発行日:平成17年6月

第1首−100首



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1−10   11−20  21−30  31−40  41−50 

51−60   61−70  71−80  81−90  91−100












 

1

 

春の陽を 昔は心待ちにしを

今は陽を避け 四季を感じず

 

平成17

 

226

2

水仙の 部屋に入れば香りする

幼き日々が 思い出さるる

 

 

227

3

木一本 魔法の手でいろいろと

介護用品 ありがたきかな

 

 

228

4

ドライフラワー 赤い実青い実命の実

野山を駆けて 探したあの日

 

 

31

5

色々と 家の仕事が忙しい

代われるものなら 代わりたい

 

 

32

6

雛祭り 桃もあられも無かりけり 

雛もそのまま 箱の中に居たり

 

 

33

7

個人主義 みんな投げ捨て我につくす 

その人も病み 腰痛に悩む

 

 

34

8

雪ダルマ 門の横に居すまし顔 

バケツの帽子 はすにかぶりて

 

 

35

9

ヘルパーの 助けを借りてシャンプーす 

この爽快さ ありがたきかな

 

 

36

10

宿木や 不思議な力宿したる 

再び見入る その青き実を

 

 

37





11

梅の花 梅の着物に身を包み 

卒業式の 袴スタイル

 

 

38

 

12

生きること 命の尊さ説きし我 

今は疑う その重さかな

 

 

39

 

 

13

指痛し 必死に耐える悶々と 

丑三(ウシミ)つ時に 夫を起こす

 

 

310

 

14

一口づつ 感謝しながら食べる我 

口には旨し 腹は空かねど

 

 

311

15

宿命と説うて聞かせる我なれど 

縦に振らずに 暗き道行く

 

 

312

 

16

赤き糸 強き絆に結ばれて 

今は病めるも 出会えてうれし

 

 

313

 

17

ばらの花 胸に抱きて見舞い来し 

教師時代の チームメートよ

 

 

314

 

18

医者の云う 海外旅行できるやと 

嘘とわかりて 我は悲しき

 

 

314

19

光差し込み 体温調節出来ぬ我 

毛布一枚 入れたり出したり

 

 

314

20

新しく 手帳もらいて更め知る 

障害の身の 悲しきことを

 

 

315





21

桜の木 いまだ咲かねど期待する 

満開の花 咲きにし姿

 

 

316

22

ふたりして 入浴清し心待ち 

いそいで走る 車椅子かな

 

 

317

23

紫の 花いっぱいに咲きたるは 

すみれと云うや 庭のあちこち

 

 

318

24

寄りそいて いちばんに我のことしてくれる 

やさしき人よ いとしき人よ

 

 

319

25

矛盾する 精神(ココロ)は「ノー(No)」と云いにけり 

体は生きたいという 悲しき我かな

 

 

319

26

待つことが ノルマとなりて悲しけれ 

ふたつの時計 我は持つなり

 

 

320

27

いつの日か 足萎えとなりさびしきや 

かけっこしてた 在りし日想う

 

 

321

28

風の音 大きな音で目を覚ます 

枯れ葉を散らし 山となりしも

 

 

322

29

ごめんねと 娘に詫びて寂しき日 

目的なさず すなおに働く

 

 

323

30

じっと見る 天気図よ 晴か雨 

気温の変化が 体にひびく

 

 

324

 




31

天気図をじっと見るなり 晴か雨 

温度差気にす清したれど

 

 

325

 

32

一日も 我より長く生きてくれ 

君にまかせし頼りにしつつ

 

 

326

 

33

ごめんねと 頭を下げてあやまりぬ 

目標ゆらぐ吾が娘達よ

 

 

327

 

34

チャイム鳴り 時を刻みて幾年ぞ 

いそいで向かう我が教室へ

 

 

328

 

35

鐘の音 時を刻みて幾年ぞ 

霧の中にて一打を打つのみ

 

 

329

 

36

この世には 辛く厳しい病あり 

すまぬと云いつつ吾は悲しき

 

 

330

 

37

椿咲く ピンクの花よ あいらしく 

山より採りきて吾に見せん

 

 

331

 

38

病の身 治らぬものと聞かされど 

部品を代えても蘇りたや

 

 

41

 

39

木の実採り すべって落ちて怪我をした 

エイプリルフールを知っているかい

 

 

42

 

40

淡いピンクの 満開の桜枕元 

校庭に咲く八重桜偲ばる

 

 

43

 








41

看護師の質問受ける 我なりき 

答えに窮し そっと横むく 

 

 

44

42

目を閉じて (クウ)という文字を(ソラ)に書く 

見るもの聞くこと 吾には届かず

 

 

46

 

43

悔しさを ぶつけるところ 何も無し 

大きな声で 吾さけびたや

 

 

47

 

44

朝の陽を 雨戸を閉じてさえぎれど 

窓の外で 雀が騒ぐ

 

 

48

45

吊り毛布 重さ無くして 心地良し 

夫の手作り 自慢の品よ

 

 

49

46

庭の隅に けなげに咲きし蘭の花 

薄黄緑の 可憐な姿よ

 

 

410

47

母の日に 娘がくれた胡蝶蘭 

今年も花つけ バンコク偲ぶ

 

 

411

48

時ならぬ 春の寒さにふるえたり 

それでもいきたや 介護入浴

 

 

412

 

49

生きることを 心に念じ 選び取る 

いつも同じく ベットの中で

 

 

414

50

食べ時を 過ぎてしまった菜の花や 

ピンと伸ばして 姿楽しむ

 

 

414







51

鳥の声遠くに聞こえる賑やかし 

こんな早くに 鳴いているとは

 

 

414

52

遠くから岡田先生見舞い来る 

一緒に教えた昔懐かし

 

 

415

53

さようなら トランク片手に手を振る娘 

病気の辛さ どれ程ぞ知る

 

 

416

54

さようならトランク片手にバンコクへ 

ハードスケジュールが 娘を待つらむ

 

 

416

 

55

つくしん坊 土手のあちこちに顔を出す 

卵とじして 香り楽しむ

 

 

416

 

56

白い花 川の淵から摘み来たる 

レース模様の 清楚な姿

 

 

417

57

就寝時 椅子を乗り継ぎ二階へ向かう 

介護用品 沢山あるよ

 

 

418

 

58

遠くから ピアノの音が聞こえるよ 

結婚の曲 娘が奏でる

 

 

418

59

紫色の 大根の花美しいや 

ひょろりと伸びて 素朴な姿よ

 

 

419

60

就寝時 用具運びが忙しい 

二階のベッド 夜の友達

 

 

419





 

61

朝目覚め 早く起きて残念だ 

も少し寝たい 夢見ていたい

 

 

420

62

筆を持ち 堂々とした字を書きぬべし 

ふと気がつけば 吾手は動かず

 

 

421

63

寝ていても カットもカラーもしてくれる 

心待ちにし 訪問理容

 

 

422

64

どうすれば 私の思い伝わるか 

いらいらしつつ 心悩ます

 

 

423

65

今日も又 カタクチイワシのフルコース 

夫の手作り 楽しい夕食(ユウゲ)

 

 

424

66

遠くより 幼な友達見舞い来る 

共に遊びし 在りし日偲ぶ

 

 

425

67

一日も 長く生きてと願いつつ 

病の床で 吾祈るのみ

 

 

426

68

庭の隅 エビネ蘭美しく咲く 

黄色と茶の 可憐な花よ

 

 

427

69

眠りたい 長く寝る(スベ)誰か知らん

ただ悶々と 夜明け待ちつつ

 

 

428

70

君子蘭 オレンジ色の花を付け 

一度にパッと 見事に咲けり

 

 

428






71

君子蘭 一度にパッと花を付け 

梅の木の下 明るくなりぬ

 

 

428

72

見るからに 皺も増えたし腰痛し 

介護に家事に 疲れし夫

 

 

429

 

73

庭の中 いろんな花が咲きほこる 

ひときわ目立つ 白き牡丹よ

 

 

430

74

春爛漫 我家の庭も花盛り 

心もはずみ しばし楽しむ

 

 

51

75

眠りたい 隣のいびき聞きながら 

吾もなりたや 夫のように

 

 

52

76

真白い 牡丹が咲いたふんわりと 

薄い花びら 風に漂う

 

 

53

77

細部まで 見事に組まれし人の体 

壊れてぞ知る その脆さかな

 

 

54

78

日曜日 ゴールデンウイークも無かりけり 

病に伏して 辛さひときわ

 

 

55

79

食物が 歯につまりて困りたる 

口の動きが 悪くなりけり

 

 

56

80

母の日に 今年は何もしてやれず 

今迄毎年 欠かさぬものを

 

 

57





81

マッサージ 毎夜毎夜でありがとう 

何にも勝る すいみん薬よ

 

 

58

82

マッサージ 毎夜毎夜でありがとう 

手足が伸びて 気持ちが良いよ

 

 

58

83

子供の日 空を泳ぐ鯉のぼり 

子供の国は 賑わいにけり

 

 

58

84

八王子より ふらりと訪ね来見舞たる 

惣菜の品々 ごちそうさまよ

 

 

59

85

吾が娘 どちらに似たのか判らない 

人柄は良く 顔もひろいよ

 

 

510

86

バイク乗り 再診の((順番札))取りにゆく 

月に一度の 朝一受診

 

 

5月11日

87

マッサージ師 ツボを心得ありがたや 

手足の動きも 良くなりにけり

 

 

5月12日

88

刺し子の目 手元くるいて乱れける 

精一杯の 努力の作よ

 

 

5月13日

89

人の中我が身の重さ思い知る 

どうしたらいいの 生きるすべなき

 

 

5月14日

90

いびきかき 寝ている夫起きぬよう 

静かに動く 我身なりけり

 

 

5月14日








91

外出時 文庫本持ち活字追う 

そんな昔が 今は懐かし

 

 

5月15日

92

三食の 夫の工夫ありがたし 

減量効果も 期待さるるや

 

 

5月15日

93

 

吊り毛布 夫の工夫で楽になる

手足動かし 運動出来るよ

 

 

5月16日

94

エコキャンの 娘が作る折り袋 

ヘルパーさんに教えてあげた

 

 

5月16日

95

ヘルパー来 買い物忙し 二回行く 

慌しくて 手当り次第

 

 

5月16日

96

かつて呼ぶ ヘレンケラートリオ懐かしや

緑ヶ丘の 友よ見舞い来

 

 

5月17日

97

夜道にて ヤグルマ草を手折り来る 

娘の心 花瓶で楽しむ

 

 

5月18日

98

テレビ欄 全部見るよはじめから

今日の予定はこれで決まるよ

 

 

5月18日

99

母の日に娘が贈りしプレゼント 

ケーキを食みて 心伝わる

 

 

5月18日

100

三食の メニュー難し 悩ましや

食材さがしに 今日も奔走

 

 

5月19日



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