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いのちの重さ: 
第5巻







発行日:平成18年11月

第401首−500首



お読みになりたい箇所をクリックしてください
 
401−410   411-420  421-430   431-440  441-450

451-460  461-470   471-480  481-490   491-500
 





01

薔薇を抱き いつも訪ね来 友ありき

昔の同僚 優しき友よ

 

 

2005年 12月

在職中の
同僚教諭

02

夜が明ける 増えてる布団 夫が足す

           冬の夜明けは 深々冷える

 

 

 

03

真夜中に 何も見えずに 戸惑う吾

           時計の明かりが 唯一の目安

 

 

 

夜中は蛍光時計の灯りのみ

04

吸引器 はじめは辞退 苦しいから

           後には妥協 心地よくなる

 

 

痰の吸引器 

05

足萎えて 大地を歩けぬ 残念だ

          徒歩通勤で 鍛えたものを

 

 

フットワークはよかった

06

年賀状 早く出そうと 夫に言えど

         やっぱりギリギリ いつもと同じ

 

 

夫はいつも遅い

07

吾がHP(ホームページ) 娘が作りて 公開す

           ゲスト多数で 反響嬉し

 

 

2006年1月

バンコク在住の娘がHPを作る

08

紫の セントポーリア 咲きにけり

         ビロードの花弁 美しき哉

 

 

09

真夜中に そっと伸びる手 無意識に

        吾を癒して 優しく撫でる

 

 

 

夫の夜間介護

410

紅の 可憐な花よ シクラメン

        花芽多くて 明日が楽しみ

 

 

 

 






411

銀杏並木 木の葉飛び散り 丸坊主

木枯らしすさぶ 冬の街角

 

 

2006年 1月

 

412

ミキサーが ガガと回転 うるさいな

           だけど大切 吾が歯の代わりす

 

 

咀嚼力が弱まりミキサーで処理を始める

413

車椅子で 選挙に向かう 欠かさずに 

           清き一票 吾も持つなり

 

 

 

リクライニング車椅子で必ず行った

414

新春の プレゼントに作りし クッキーの

           評判良くて 娘喜ぶ

 

 

乾燥イチジクにチョコレートをかぶせた 

415

書初めを 書きたいけれど 書けないよ

           右手も萎えて 字書くは難し

 

 

 

416

毎日の 画材選びに 夫は走る

           色鮮やかな 花を求めて

 

 

2006年 1月

417

鬼柚子の 肌は粗いが 香り良し

            画材に供して ジャムで味わう

 

 

ジャムは夫の仕事

418

朝早く 娘は出勤 かわいそう

         仕事頑張れ 苦労報わる

 

 

419

ぼたん雪 木の葉に積もり 嵩高に

         朝日を浴びて 白く輝く

 

 

 

 

420

奈良中の チャイムが響く 全校に

         何時間目か 記憶たどりぬ

 

 

2006年2月

近くの奈良中学校からよく聞こえる

 

 




421

色々と 読みたい書籍 多けれど

            活字が小さく 吾読み難し

 

 

2006年2月

 

422

「ひととき」は 大事なところ 貴重な場

            朗読聴きたし 皆に会いたい

 

 

朗読サークルグループで活動していた「ひととき」は会の名

423

目が覚める 今日もどうして 過ごそうか

            暗闇の中 一人さまよう

 

 

 

 

424

一日を 「ウンチ」と過す 苦しさよ

           日に4・5回も やって来るかも

 

 

自律神経失調で全て摘便した

425

三片の 白い花びら 可憐なり

           うつむき咲きぬ スノードロップ

 

 

庭先で毎春咲く

426

家中の モチーフ探し 大変だ

            一日一作 画材尽きたり

 

 

2006年2月

427

間違った! 針目出す場所 刺し子針

            正しく直しつ 日に5寸

 

 

いよいよ右手の自由がきかなくなる

428

お薬は 形状様々 飲み難し

          お湯に溶かして とろみ付け飲む

 

 

咽せ、誤飲防止のため全て溶かし始める  

429

左腕の 硬直多し 痛きかな

           「手ちゃん体操」 日に4・5回に

 

 

 

手・腕のストレッチで、手ちゃん体操と名づけた

430

喉詰まり 終日動く 吸引器

           ほんとは嫌だが 仕方がないよ

 

 

 

 

 





431

夕べには 毎日欠かさず 刺し子遊び

             以前は一尺 今は5寸

 

    

2006年2月

手の動きが悪くなってきた

 

432

プルセニド 赤くて小粒の 便秘薬

             効き目抜群 頼りになるよ

 

 

 

433

お気に入りの 緑の茶碗 描きつつ

            一服欲しいな お菓子付きでよ

 

 

 

好きだった緑茶、飲めないけどさぞ美味しかろう

434

玄関先に 今年も植えし すみれ草

           かわいい花よ 初夏迄楽しむ

 

 

 

435

二日目は 氷雨交じりの 銀世界

           ぬかる道端 歩きにくかろ

 

 

家の前の通りからぬかる雪道の音がする

436

名残雪 三月はじめの 雪化粧

           南天の葉も サンドイッチに

 

 

2006年3月

 

 

437

成功よ 今度は取られず 持ち帰る

           甘いマンゴー タイの土産に 

 

 

娘の悪い癖

438

寝るときは タオルを巻いて 変装よ

          「ドロチャンルック」と 夫名付けり

 

 

 

顔をタオルで巻いて防寒。名前は悪すぎる

439

懐かしや 「アザラシランド」 かつて行く

         上手な芸に 褒美の魚

 

 

 

発症の年、北海道を旅する

440

吾の好きな ピンクの花弁 美しや

        今日の画材にと デンファレ求む

 

 

 

 蘭の一種のデンファレ

 




441

有田焼 細かい絵柄は 書き難し

            画材とするは やや困難に

 

 

2006年3月

 

442

四時迄は 予定びっしり 忙しや

             後は自由よ 絵に刺し子

 

 

絵画 6pm
刺し子 8pm
 

443

つまらない 終始ベッドに 臥したまま

            持て余す時間に 進まぬ思考

 

 

 

 

444

天命と 強く信じて 生きれども

            弱き己は 萎え果てそうよ

 

 

 

445

静かな森 丸い目をした コノハズク

            さびしく鳴くよ しじま縫って

 

 

夜半から早朝に聞こえてくる

446

「手体操」 日に数回の リハビリよ

          夫は大変 感謝してるよ

 

 

 

447

お薬は 溶かして飲むよ 咽ぬよう

         錠剤 カプセル 飲むは難し

 

 

448

食べ物が 胃につっかえて 重苦し

         食欲ないが 無理して食べる

 

 

 

449

良薬は 口に苦しと 言うけれど

        ことわざ通り ほんとに苦い

 

 

 

 

450

知らぬ間に 娘が飾りし 沈丁花

       部屋一面に 香り漂う

 

 

 

 沈丁花の強く清楚な香り、早春の便り

 






451

ママと呼ぶ 娘のありき はっとする

           何も出来ぬ身 役目重たし

 

 

2006年 3月

 

452

口を開く 手彫りの熊の 見事さよ

            画材にすれど 恐ろしき哉 

 

 

北海道土産 アイヌの手彫り 

453

完成が 前より遅し 刺し子かな

            この頃気づく 右手の不自由

 

 

 

 

454

新聞は 毎日読むよ 丹念に

            一面・番組・声の欄だけ

 

 

新聞は画板にはって天井から下げた
5月迄読み続けた

455

日に一度 娘と会話 顔見つつ

            便利になりぬ パソコン電話

 

 

タイの娘とインターネット電話

456

日に一作 描いた絵画 溜りたる

         ホームページに 全て開示す

 

 

毎日訪問者数を確認
ゲスト記入欄も

457

選挙の日 必ず投票 吾が一票

         皆親切 世話になりつつ

 

 

2006年4月

投票は選管の係員の手を借りて

458

奈良中の 入り口賑わす 春の花

            入学式も 準備万端

 

 

在職中は校内の花壇を担当

459

春風に ピンクの蕾 膨らみぬ

            三分咲きたる 乙女の桜

 

 

 

460

雉車 派手な出で立ち 面白や

         どこの産だか 吾忘れたり

 

 

 

画材にしようと置物より取り出す 

 







461

通院は 月に一度の 大仕事

           段取りよろしく さっと済ませり

 

 

2006年 4月

7時に順番札
8
時に車で向かい
9
時一番で診察

462

ミルク壷 旅せしスイス 懐かしや

           牧牛の群れに 登山電車

 

 

 

463

刺し子柄 いろいろ溜り うれしいな

           誰にあげよか どこに飾ろか

 

 

 

 

464

並木道 満開の花 眺むれば

           今年の春も 味わい深し

 

 

通院時久しぶりに外の景色に触れる 

465

花冷えに “寒い”を連発 冬思う

           花も縮こむ 早春の一コマ

 

 

4月の寒の戻り
ほんとうに寒い

466

退屈だ 毎日同じ 繰り返し

         どう考えて 何をしようか

 

 

 

467

うれしいな 夜の眠りが 待ち通し

         何も思わず 何も悩まず

 

 

夜の眠りで救われる心境が伝わる

468

なし得るは 心の底から 祈るのみ

         願い叶いて 病治るや

 

 

 

469

寒暖が 体に障る 苦しけれ

        光は苦手 太陽は嫌

 

 

 

 

470

天気図を じっくり眺む 気をつけて

       明日の気構え 今日の内にす

 

 

 

 

 





471

朝シャンの ヒヤリと冷たき 洗剤の

          あまりの寒さに 縮み上がりぬ

 

 

2006年2月の作

月・水・金は
朝シャンの日
頭スッキリ

472

土産買い 帰国の準備 大変ね

           吾を世話する 皆への配慮

 

 

2006年4月

度々帰国して介護する娘・いつも土産を用意して帰ってくる

473

画材にと 自らモデル 吾が娘

           特長つかめず 出来映え不満よ

 

 

画材も尽きモデルに志願する。姉・妹それぞれ特徴出てる

474

別れ際 そっと忍ばす “お足代”

           毎度の帰国 感謝してるよ

 

 

娘に帰国の交通費を出してあげた。白封筒に感謝込め 

475

八重桜 枝もたわわに 咲き乱る

            路の両側 ピンクの絨毯

 

 

花で道が覆われていた

476

目が覚めて 毎日同じ 朝が来る

          来る日も来る日も 退屈さのみ

 

 

 

477

食べて出す 基本生活も 難しや

          一日がかりの 大事な仕事

 

 

 

478

エビネ蘭 清楚な色合い 姿かな

         かつて訪ねし “えびね園”偲ばる

 

 

 

町田市のえびね園に家族でよく訪ねた

479

こんなの嫌 毎日の暮らし 辛き哉

         体苦しく ため息ばかり

 

 

 

480

タイ土産 分厚く広い 木の仮面

         白い歯出して 恐ろしきかな

 

 

 

 

 

 




481

歩きたい 大地を踏みしめ この足で

            元気な頃が 思い出さるる

 

 

2006年 4月

 

482

悔しいな 病は辛い 耐え難し

            健康あっての 人の一生

 

 

 

483

枇杷の実を 弟持ちて 見舞い来る

           多忙な中で 大変だろうに

 

 

 

 

484

あまどころ 薄黄緑の 小花下げ

           ひっそり咲きぬ 庭の片隅

 

 

 

485

二輪草 白き小花を 二つ付く

          かわいい姿で 群れ咲く野花

 

 

近くの川の土手に群生

486

歌詠めど 声も小さく 不鮮明

          聞き取り難くて 夫困りぬ

 

 

発声障害が顕著になる

487

大きな声 腹の底から 叫びたい

          思い吐き出し すっきりしたい

 

 

会話も難しくなり“うつ状態”の表れか

488

シャガの花 薄紫の フリルの様だ

         毎年顔出す 庭の片隅

 

 

 

489

春雷は 突然来るよ 雨つれて

        季節の変わり目 恵みの雨に

 

 

2006年5月 

 

490

日傘さし 日光よけて 歩く人

        誰に聞いたか 友に教える

 

 

 

 

 





491

教え子が 遠路はるばる 見舞い来る

           昔の童顔 今は大人に

 

  2006年 6月

福岡に住んでいた頃の生徒。今は柳川市の身障者施設にいる

492

恵規君 明るい性格で 前向きよ

          陽気な笑顔に 秘めたる強さ

 

 


その人の名
成清恵規君
(重度小児麻痺を抱える)
 

493

ダイビング 空から舞い降りた 恵規君

          眼下の景色 さぞや爽快

 

 

 

重度障害者初のスカイダイビングに挑戦し見事成功
所沢で

494

腹空かぬ 食べ物の話 しないでね

          今にも吐きそう 不快な気分

 

 

大量の薬の服用もあって胃弱に 

495

雨の中 紫陽花の花 咲き乱る

         青の濃淡 洒落た配色

 

 

 

496

入院前 荷物の準備 大変だ

         不安大きく 心配尽きぬよ

 

 

6月中旬検査入院“朝日中央病院”に一週間半入院

497

退院後 病院暮らしを 思い出す

         看護師の対応 様々なりや

 

 

 

498

闇の中 看護師走り 忙しい

         どこかでコールが 鳴り続けてる

 

 

2006年7月 

499

しかられる 大きな声で はずかしや

        ナースの性格も 十人十色

 

 

 

横のベッドの老女に対しいつも不親切な対応をする
ナースがいた

500

髪を切る 短く揃え 涼しそう

        ヘアースタイル あれこれ迷う

 

 

 2ヶ月に一度の
訪問理容

 






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