2001ポッカ1000Km耐久レース 結果報告


■大会開催日 8月25.26日

■大会名称  鈴鹿ポッカ1000Km耐久レース

■開催地   鈴鹿サーキット

(観客数:3万2000人)


●初体験の耐久レース。初の鈴鹿サーキット。ましてやお初のRSマシン!!

●完走目指してみんなで力を合わせガンバラなくちゃ・・・







8月25日 予選   総合11位ゲット!

  26日 決勝   マシントラブルでリタイア


大林監督無念!
スタート直後から水温が上がるトラブルに見舞われ緊急ピットインの大林アタッカーズ。
修復に時間がかかったものの、その後は快調に走行を重ねた。だがチームが完走の自信を深めた矢先、ステアリングシャフトが折れるアクシデントで、吉川とみ子が逆バンクでクラッシュ。
そのままリタイアとなってしまった。
『完走したいと思っていたので残念です。でもみんな悔しさが残っているからまた戦いたいです』
大林監督は目を赤くしながら再戦を誓っていた。

(8月27日付け 東京中日スポーツ掲載記事より)



【喜怒哀楽レース日記】   リポート:荻原 なお子


鈴鹿サーキットの夏の大イベント・ポッカ1000キロ耐久レースに、今回初の女性チームのドライバーとして参加させてもらいました。
私にとっては耐久レース初挑戦。鈴鹿を走るのも初めて。さらにRSマシンに乗ることも初ということで、すべてが新鮮かつ勉強って感じでした。
(レース活動10年以上もしているのに鈴鹿を知らないってのも情けない話でスミマセンね・・・アレレって感じ)

大林素子率いる、大林アタッカーズ(吉川とみ子・郭 美美・荻原なお子)が正式に参戦を決めたのが7月の末だったこともあり慌ただしく準備に追われた1ケ月でした。
十分な練習どころかマシンが出来たのがレースウィークの水曜日。練習も何もなしでシート合わせもホドホドにいきなり鈴鹿サーキットの走行ですよ。もう参ったなんてもんじゃないよぉ〜。嘘みたいな話ですがマジびっくり!!
今回のマシンはRS。しかもこれまた誰ひとりRSに乗った経験者がなく、3人ともマシンに慣れることが本日の課題。
ブッツケ本番のなんかメチャメチャな話だけど・・・もうみんな開き直りですよ。RS?オスカー?えっそれってなぁ〜に・・・ワカンナイ。って感じだからもう笑ってゴマかすしかないですね。

さっそくいきなり金曜日の公開練習でRSマシンに初挑戦。 私の場合、やっぱり練習でコースアウト。マシンのフロントカウルを壊してしまいましたよ。まぁ私らしいと思います自分でも(しかも笑っちゃうのは私は飛び出したのはずっとS字と思っていたのですが、実は逆バンクだったことが後から判明・・というぐらい超新人)
走ったことないのでどこが何て言うコーナーか正確にわかんなかった訳・・・コースも長くてコーナーがいっぱいあるし。もう走ってるだけで精一杯でした。(しかし鈴鹿を設計した人も作った人もさぞかし大変だっただろうなぁ〜なんて走りながら思っちゃった。)

その中でもやっぱり、鈴鹿のスクールで腕を磨いた美美ちゃんが安定してタイムを上げていき、頑張ってくれました。さすが美美ちゃん本領発揮!

土曜日の予選アタックで美美ちゃんが35台中総合11位のタイムをマーク。やった。さすが美美チャン!!これには周囲のチームもびっくり。 それだけに決勝に向けて期待と注目が集まった感じでしたよ。
(周りの人達はどうせ女ごときがって眼中になかったみたいですが・・・)タイムもRSクラスのポールより0.07秒マイナス。ホントに0.1秒速ければRSクラスのトップタイムだったのに残念無念。

私はマシンとコースに慣れることが先ず第1で、予選も練習の内と考え(と言うか決勝も練習?だと思って走るしかないか・・・なんてもう開き直ってます)マイペースを守って走ってました。(とりあえず基準タイムクリアにホッ!良かった)それにしても耐久ならではのスピード差ってすごいですよね。GT500のマシンが近付く度にドキドキしてました。(あ〜コワ。踏み潰されそう)
でも予選は何もハプニングもなく無事に終了じゃ・・・話が面白くないでしょ皆さん。お待ちどう様でした。アハハ・・そうなんですよ(笑い)私らしくまたやっちゃいました。
何をって・・・へへっと。実はピットレーンの速度違反で罰金3万円なり。トホホ・・・悲しい。タタでさえ金欠なのに・・・(泣)

決勝当日は、天気も晴天と言うよりちょっと雲が・・・でも朝から暑い真夏日じゃなくて良かった良かった。
決勝の朝に行われたフリー走行で、なんとエンジントラブルが発生。参った。エンジンの周りはオイルだらけで大惨事。 メカニックが決勝スタート前ぎりぎりまでエンジンを下ろしての大掛かりな整備を施してくれました。
なんとかスタート時刻まで大急ぎで修理しグリットに付く事ができホッと一安心。

私達ドライバーの分担は、美美チャンがスタートドライバーで私と吉川さんは中継ぎ役。私は着実にマイペースで周回を重ねる事になってました。
スタートは予定通り美美ちゃんが担当。きっちりスタートを決めてスタート直後の混乱に巻き込まれる事なく約6時間後のチェッカーめざし順調に走り始めました。
がしかし・・・スタート直後から水温が急に上昇し緊急ピットイン。再スタートするもまたしても水温上昇。何回もピットインを繰り返す事に。

何とか水温は高いものの、回転を落としだましダマしマシンを走らせ1時間半経過したところで美美ちゃんからバトンタッチ。
私はクールスーツとドリンクを用意してマシンに乗り込みいざ出撃。この時点で順位は33番手くらいでビリ同然。順位は気にせずマイペース、マイペースで着実に走ってっと 結構落ち着いていたつもりだったが・・・

ほらね。やっぱり案の定ドリンクのストローがヘルメットの中で外れちゃって。結局せっかく用意したのに飲むこと出来ずじまいでチャンチャン!(爆笑)
初のドライブはワクワク&ドキドキ。最初の4〜5周はぎくしゃくしてましたが、徐々に自分のペースをつかんで淡々と無事予定通り25ラップ走行しピットイン。そこで吉川選手にバトンタッチ。
なんか自分ではまったく判りませんでしたが順位はこの時点で27番手くらいになってたのかな?よく知らないけど。

その後は、さすが吉川さん。もうタイヤもボロボロ。コースも汚れ始めひどいコンディションのなかベテランの貫禄で淡々と走りきり予定通り20ラップ走行。
本当にさすがって感じですよね。マシンの状態やタイヤ。コース状況・・・こんな最悪の状態でも動じる事なく、えっ・・・みんなどうかしたの?って感じで平気で走りきっちゃいますからね。 もうさすがルマンドライバーとしか言い様がありません。脱帽!

ピットインした吉川さんからまた私へとバトンタッチ。
今度は、ドリンクのホースが外れないようにしっかり留めたし、吉幾三??なんてくだらない事書いちゃった。(笑)

さすがにタイヤもボロボロで私にはこんなタイヤじゃ無理なので、予選に使った中古タイヤに交換しいざ2回目の出撃。
しかし3時間半も経つと、もうコース上はあちこちに砂や砂利。タイヤカスの山。本当にちょっとでもミスってラインを外せば即スピン・コースアウトって感じ。でもこれが耐久レース。なんとか走りきらなくちゃっと思いつつ淡々と走り始める。
走り始めて10ラップ過ぎたくらいかなぁ。かれこれスタートして4時間以上経つと信じられないほどコースはひどいですね。実力や経験のあるGTドライバー達でもちょっと油断すると、目の前でぶっ飛んじゃっていきますから。超ビビリますよ。
コース状況やラインにも気を配り、また水温も上昇してくれば2ラップくらいクールダウンしながらペースを落とし、またちょっと踏んで、水温が上がればまた落としの繰り返し。でもなんとか自分の予定通りの25ラップを走りきりピットイン。

そこでまた吉川さんにバトンタッチ。エンジンもボロボロ。タイヤもボロボロ。コースはグジャグシャ。もうこんな最悪の状況を乗りきれるのは経験豊かな吉川さんしかいない!並みの人間じゃ吹っ飛んでしまう。正直言って経験のない私では最後の2時間なんて乗りきれないと思いました。
太陽も沈み始め辺りもだんだん暗くなりつつありますし、逆光やコース上も見ずらくなるじゃないですか。本当に経験がないと1000Kmなんて到底走りきれないと痛感しました。加えてなんか今にも雨が降ってきそうな雰囲気になって来てたし・・・もうチームとしても頼みの綱は吉川さん一人でした。
しかしレースも山場を迎えココがふんばり所って言うこんな重大な局面で・・・もし突然雨でも降ってきたらどうしよう。私だったらびびっちゃうな。

もし雨降ってきたら、適当なタイミングで飛び込むからタイヤ用意しといてね。って涼しい顔してマシンに乗り込む吉川さんにはもうただただ感動します。きっと私だったら雨降ってきてみんながピット戻り始めればみんなについて戻ってしまうだろうな。あせっちゃって。

ても吉川さんだったら、きっと皆と一緒のタイミングで戻ればピットがマシンだらけで大混乱してるから、ピットがすくタイミングを待ってもう1ラップ頑張って戻ってくるんだろうな。走る前から経験を通じて万が一そうなったらどうしたら良いかというシナリオがすでに頭にあるから平然としているんだと感じました。
こんな事もスプリントしか経験がないと判らないテクニックですよね。やっぱり多くの経験を積んでいざと言う時に、実際にそれを活かせるって言う事がいかに重要かって痛感します。
頭では判っていても普通実際には簡単に出来ない事ですよね。すごいなぁ・・・

そして残りも2時間となり少しづづ順位を上げてきたところの95周目。まさかのアクシデント発生!ステアリングのシャフトのジョイントが折れるという大ハプニングに襲われ、マシンはストップ。 みんなの健闘も空しくまさかのリタイヤとなってしまいました。
レースも皆で頑張ってあと一息のところまでようやく来たのに・・・本当に残念でした。




ご支援ありがとうございました。

今回、初の鈴鹿・初の耐久、RSマシンも初ドライブという中で出場した鈴鹿1000キロ耐久レース。
結果はマシントラブルで残念ながらチェッカーをくぐることが出来ませんでしたが、次につながる大きな経験をさせていただきました。
大林素子率いる女性チーム(監督・ドライバー&メカニックも女性)ということもあり、話題が先行する中で、男性スタッフの援護もありましたが、中心となった女性たちが本当に頑張っていたことは十分アピールできたと思います。
レースへの参戦が決まってからもいろんな準備に時間もかかり、喜んだり怒ったり泣きもして、でも最後は笑えたかなって思います。本当に自分自身、貴重な良い経験をさせてもらいましたし耐久レースと言うものを少し垣間見たような感じです。
また大林素子監督を始めとして、スタッフ一同、既にリベンジの気持ちです。今後の大林アタッカーズの活動に、是非ご期待下さい。

最後になりましたが、私達を応援してくださいましたスポンサーの方々や観客の皆さん。チームスタッフや気が遠くなるほど何時間も最後まで役務を遂行してくださった鈴鹿サーキットのオフィシャルの方々や関係者の皆さん。 本当にありがとうございました。