Top →
応用情報技術者試験 →
平成21年度秋期試験 午後問題 → 問4
水野のサイト
応用情報技術者試験
●平成21年度秋期試験 午後問題 問4
「Webシステムの構成」
【解説】
可用性、セキュリティ、性能、保守性などの、システムが満たすべき機能以外の条件を「非機能要件」といいます。
本問は、Webシステムにおけるセキュリティと可用性という非機能要件について、
基本的な知識と実現能力を問う問題です。
【設問1 解答】
【設問1 解説】
解答群の各選択肢の意味は、次の通りです。
ア. IDS
侵入検知システム。ネットワーク上を流れるパケットを監視して、不正アクセスなどを検知するシステム。
イ. RADIUSサーバ
ネットワーク資源の利用において、ユーザの認証とアカウンティング(課金管理、利用の事実の記録)を行う。
ウ. VPN装置
公衆回線などを用いる公共のネットワークを、あたかも自社内で構築した専用線であるかのように接続するための装置。
エ. ファイアウォール
ローカルなネットワークと外部との境界に設置され、外部との通信を制御して不正なアクセスを防止するための装置。
オ. プロキシサーバ
内部ネットワークからインターネット接続を行う際、高速なアクセスや安全な通信などを確保するための中継サーバ。
クライアント(利用者)側に置かれ、クライアントがWebサーバーにアクセスする動作を中継する。
カ. リバースプロキシ
ある特定のサーバーの代わりにクライアント(利用者)からのアクセスを受け付ける代行(プロキシ)サーバー。
サーバ側に置かれる。
a の装置は、内部ネットワーク、DMZとインターネットの境界に置かれていますから、ファイアウォールです。
b は、問題文の [セキュリティ要件] に「利用者からのリクエストをいったん受け取り、適切な機器に転送する」とありますから、リバースプロキシです。
【設問2 解答】
【設問2 解説】
稼働率と、MTBF(平均故障間隔)、MTTR(平均修復時間)の関係は、次のようになります。
稼働率 = MTBF/(MTBF+MTTR)
この式に表の数値を当てはめます。
稼働率=0.9986、 MTBF=2(年)=2*365*24 (時間)=17520(時間)、ですから、
0.9986 = 17520 / (17520 + MTTR)
MTTR = 17520 * (1 − 0.9986) / 0.9986 = 24.56… (時間)
小数第1位以下を切り捨てて、24時間が答となります。
【設問3 解答】
【設問3 解説】
(1) 稼働率 99.99%以上ですから、システム停止が許されるのは1/10000以下です。
したがって、1年間に許されるシステム停止時間は、次のように求められます
365(日) × 24(時間) × 60(分) × 1/10000 = 52.56 (分)
小数第1位以下を切り捨てると、52分となります。
(2) 稼働率aの装置Xと稼働率bの装置Yが直列に並んでいる(どちらが故障しても稼動できない)場合と、
並列に並んでいる(どちらか一方が稼動していれば稼働し続ける)場合の、それぞれの稼働率は次の通りです。
● 直列の場合
稼働率 = a × b
● 並列の場合
X、Yが共に稼動していない確率 = (1 − a) × (1 − b) なので
稼働率 = 1 − (1 − a) × (1 − b)
本システムは、同じ種類の機器(例えば2台のL2スイッチ)は並列に並んでおり、その稼働率は、
1−(1−p[i])n[i]
です。システム全体では、それらの機器群のどれが動作しなくても全体が稼動しているとは言えませんから、
機器群は直列に並んでいると考えます。
したがって、その稼働率は上式を掛け合わせた「カ」の式になります。
(3) 本システムの機器群は直列に並んでいますから、1種類でも可用性要件を満たしていないと全体での要件を満たせません。
表を見ると、「ロードバランサ」は1台しかなく、その稼働率は99.93%で「稼働率99.99%以上」という要件を満たしていないため、
ボトルネックとなっています。
このページの先頭