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応用情報技術者試験

●平成21年度秋期試験 午後問題 問10
 「プロジェクトのリスクマネジメント」

【解説】
 ソフトウェア開発プロジェクトにおけるリスクマネジメントの問題です。 プロジェクトで発生する具体的なリスク及びプロジェクトの状況を題材に、リスクマネジメントの基本的な知識と適用について問われています。

【設問1 解答】
D ×  E ○   F ×  

【設問1 解説】
 Dは、現時点で「作成することができていない」のですから、すでに発生している「問題点」です。
 総合テストはまだ実施する段階ではありませんが、「そのとおりに実施できない」可能性があるわけです。 したがって、Eはまだ発生していない「リスク」です。
 すでに提出した見積りにあいまいな点があり再提出の必要があるのは、現時点の話であり、すでに起こっていることです。 したがって、Fは「問題点」です。

【設問2 解答】
a 5.0  

【設問2 解説】
 利益率は、次式によります。
利益率 = (受注額 − コスト) ÷ 見積時に予定していた受注額 × 100 (%)
見積りでの利益率は10%でしたから、コストは見積り時の予定受注額の90%です。 受注額は見積り時の5%減となります。 見積り時の予定受注額をXとしてこれらの数字を上式に当てはめると、次のようになります。
利益率 = (0.95X − 0.9X) ÷ X × 100 = 5.0 (%)

【設問3 解答】
 従来技術で開発した方が利益が大きくなるから  

【設問3 解説】
 新技術を用いた場合の利益率は負(赤字)であり、従来技術で開発した方がP社の得る利益が大きくなります。 品質は、どちらの場合も安定しているため、問題にはなりません。 開発期間も、品質が安定してさえいれば成功とみなされるので、問題ではありません。

【設問4 解答】
b 7.5  

【設問4 解説】
 Qプロジェクトの受注額を Xとすると、新技術を用いた場合の利益は問題文表2の利益率から、-0.155Xです。 2次開発の受注額は、Qプロジェクトの2倍ですから 2Xです。 そのコストは、Qプロジェクトの見積り時の「受注額の90%」からさらに10%削減されますから、受注額の81%となります。 したがって、2次開発の利益は、(1 - 0.81) × 2X = 0.38X となります。
合計の利益は、-0.155X+0.38X であり、合計の受注額は X+2X ですから、利益率は、
(-0.155X + 0.38X) ÷ (X + 2X) × 100 = 0.225X ÷ 3X × 100 = 7.5 (%)
となります。

【設問5 解答】
c ウ  

【設問5 解説】
 「新技術を用いた開発を要求される」というリスクの発生確率は、問題文中に「80%程度が見込まれる」とあります。 その場合の利益率は、表2より、-15.5%です。したがって、リスクの評価を計算すると、
0.8 × (-15.5) = -12.4 (%)
となります。この値は、表3の「ウ」の位置となります。



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