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平成21年度秋期試験 午後問題 → 問1
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応用情報技術者試験
●平成21年度秋期試験 午後問題 問1
「ソフトウェアの受託開発会社における,工事進行基準適用」
【解説】
工事進行基準とは、長期的なプロジェクトにおいて、期毎に原価や売上、損益を計上する会計基準のことです。
ソフトウェアの受託開発についても、平成21年4月から原則として工事進行基準が適用されています。
ここでは、工事進行基準による会計処理についての基本的な知識が問われています。
【設問1 解答】
【設問1 解説】
(1) 進捗度は、問題文に「決算日までに実施した作業に関して発生した原価が、
予想される原価の総額に占める割合」とありますから、
当四半期に発生した原価 ÷ 予想される原価の総額 × 100
= 12,000 ÷ 48,000 × 100 = 25.0 (%)
となります。
(「小数第1位まで求めよ」となっていますから、「25」ではなく「25.0」であることに注意して下さい。)
(2) 工事損失引当金は、「(予想される原価の総額が売上の総額を)超過すると見込まれる額のうち、
既に計上された損益を控除した残額」です。
bおよび(c−d)は、超過見込み額ですから
「損益の総額(カ)」=「売上の総額(ア)」−「予想される原価の総額(オ)」
です。
【設問2 解答】
(1) | 仕掛中のプロジェクトに係る売上や損益が四半期決算に反映される |
(2) | ウ |
【設問2 解説】
(1) 工事進行基準は、期毎に売上や損益が計上されるため、不採算案件が迅速に発見できる、企業会計の透明性が保てる、
原価意識の徹底がはかれる、などの利点があります。
(2) 進捗度の算出法には、原価比例法のほかに EVM(Earned Value Management)法があります。
EVMでは、プロジェクトの全ての作業を金銭価値に置き換えて進捗状況を把握し、管理します。
【設問3 解答】
(1) | 作業実績時間の正確性 |
(2) | 予想される原価の総額 |
【設問3 解説】
(1) 会計処理において留意するべき事項については、作業実績時間などの項目名だけではなく、
その正確性にまで言及する必要があります。
(2) 工事損失引当金は、「予想される原価の総額が売上の総額を」超過する場合に計上します。
したがって、「予想される原価の総額」を把握しなければなりません。
【設問4 解答】
工事完成基準による売上と工事進行基準による売上が計上されるから |
【設問4 解説】
工事完成基準から工事進行基準に切り替えた年度は、
前年度から繰り越されたプロジェクトについては全部の売上がその年度に計上され、
次年度に繰り越すプロジェクトについてはその年度内の進捗分が計上されます。
したがって、その年度には1年分以上の売上が計上されてしまいます。
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